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有栖川公園

(ありすがわ こうえん)

有栖川宮(ありすがわのみや)記念公園は、東京都港区南麻布に位置する都市公園です。この公園は、かつての有栖川宮の御用地に造られたもので、現在は港区が管理しています。地元では「有栖川公園」としても親しまれています。

この公園は、都心にありながらも自然豊かな環境が広がり、起伏に富んだ地形が特徴です。公園内には、東側の高台から西南側の低地に向かって大きな傾斜があり、四季折々の美しい自然景観を楽しむことができます。また、最寄り駅は東京メトロ日比谷線の広尾駅であり、渋谷区広尾地区にも隣接しています。

公園の特徴と魅力

有栖川宮記念公園は、東京の中心部にありながら、閑静で自然を感じられる場所として知られています。園内には、梅やスイレン、ハナミズキなどの四季折々の花々が咲き、特に秋にはカエデの紅葉が美しく彩ります。また、南東側にはドイツ大使館に面した広場があり、「有栖川宮熾仁親王銅像」や「笛吹き少年の像」、「新聞少年の像」などのモニュメントが設置されています。

さらに、東側の高台には東京都立中央図書館があり、公園の一部として利用されています。麻布台地の地形を生かした日本庭園もあり、自然を大切にした趣のある庭園として、多くの人々に親しまれています。

公園の歴史

有栖川宮記念公園の歴史は、江戸時代に陸奥盛岡藩の下屋敷であったことに始まります。1896年(明治29年)に有栖川宮威仁親王の御用地となり、その後1913年(大正2年)には高松宮御用地に引き継がれました。

1934年(昭和9年)1月5日、有栖川宮熾仁親王の没後20年を記念して、高松宮から東京市に約11,000坪(36,325m²)の御用地が寄贈され、公園として整備されました。同年11月には有栖川宮記念公園として開園され、一般に開放されました。

その後、1973年(昭和48年)には東京都立中央図書館や港区立麻布運動場を含む31,235m²が公園に編入され、1975年(昭和50年)には港区に移管され、現在も区立公園として多くの人々に親しまれています。

自然と景観

有栖川宮記念公園は、麻布台地の起伏に富んだ地形を生かし、自然豊かな環境が広がっています。公園内には、丘や渓流、池などが配置され、林泉式の回遊式庭園として、多くの植物や樹木が美しく整備されています。春にはウメやサクラ、ハナミズキが咲き誇り、初夏にはハナショウブ、夏にはアジサイ、秋には紅葉、冬には雪景色と、四季折々の風景が楽しめます。

園内の動植物

公園内には多種多様な樹木や草花が茂り、鳥や虫たちも多く生息しています。池ではカモが優雅に泳ぎ、冬にはカワセミの姿も見られることがあります。また、木々の間ではコゲラやメジロ、ウグイス、サギなどが観察でき、渓流沿いの散策路を歩くと、川のせせらぎが心地よく響き、まるで山間部にいるかのような自然の中で動植物を楽しむことができます。

モニュメント

公園のシンボルとなっているのは、「有栖川宮熾仁親王騎馬像」で、これは1903年(明治36年)に千代田区の三宅坂に建立されたものが、1962年(昭和37年)に現在の南麻布に移設されたものです。その他にも、「笛吹き少年の像」や「新聞少年の像」などが、園内の各所に設置され、訪れる人々を魅了しています。

広場と児童コーナー

公園内には、高台に位置する広場や児童コーナーがあり、家族連れにも人気のスポットとなっています。広場には、「有栖川宮熾仁親王騎馬像」をはじめ、遊具が多数設置されており、子供たちが安全に遊べる環境が整っています。

設置されている遊具には、複合遊具、ブランコ、スプリング遊具、スイング遊具、すべり台、ジャングルジム、木製ハウス付き砂場などがあり、子供たちがのびのびと遊ぶことができるようになっています。

まとめ

有栖川宮記念公園は、都心の喧騒から離れて自然と触れ合える貴重なスポットです。その豊かな自然環境や歴史的背景、そして充実した施設により、多くの人々に愛され続けています。四季折々の美しい風景や、様々な動植物との出会いを楽しむために、ぜひ訪れてみてください。

Information

名称
有栖川公園
(ありすがわ こうえん)

恵比寿・代官山

東京都