東京都調布市にある神代植物公園は、都内唯一の植物公園として開園しました。園内には約4,800種類、10万本・株の植物が30ブロックに分かれて植えられており、梅や桜の名所としても知られています。特にバラ園は、2009年に世界バラ会連合優秀庭園賞(WFRS Award of Garden Excellence)を受賞しており、春と秋のバラフェスタや夜のライトアップ、コンサートなど多彩なイベントが開催されます。
神代植物公園は、1940年(昭和15年)4月に東京緑地計画の一環として神代緑地として造成が始まりました。その後、1961年(昭和36年)10月20日に正式に開園し、以来多くの改良が加えられています。1984年(昭和59年)10月には大温室が開館し、翌1985年(昭和60年)6月1日には水生植物園も開園しました。1999年(平成21年)には「都市の森づくりエリア」での取り組み「22世紀の都市の森づくり」が手づくり郷土賞を受賞し、2012年(平成24年)4月28日には植物多様性センターが開園しています。2016年(平成28年)5月12日には大温室がリニューアルオープンされました。
ばら園には、噴水のある沈床庭園(サンクンガーデン)で、当園の名前を冠した「クイーン・オブ・神代」が植えられています。園内は、本園とばらの歴史を辿ることができる野生種・オールドローズ園、未発表新品種が見られる国際ばらコンクール花壇の3つの区画に分かれており、春バラが約400品種・5,200本、秋バラが約300品種・5,000本あります。
さくら園にはジンダイアケボノ(神代曙)の原木や、ソメイヨシノ(染井吉野)、ヤエベニシダレ(八重紅枝垂)など約60品種・750本が植えられています。
うめ園では、紅冬至(コウトウジ)や八重寒紅(ヤエカンコウ)などの古来からの園芸品種を含む約70品種・170本が植栽されています。
江戸ツバキや肥後ツバキなど、約250品種・620本のつばき・さざんかが観賞できます。
つつじ園には、江戸時代から戦前までに作られた園芸品種等のツツジ、サツキ合わせて290種・12,000株が植えられています。
大温室には、熱帯花木室、ラン室、ベゴニア室、熱帯スイレン室、小笠原植物室、乾燥地植物室があり、約1,300品種が展示されています。珍しい品種として、「ダース・ベイダーに似ている」と話題になったアリストロキア・サルバドレンシスや、「サルの顔のように見える」とも言われるドラクラ・ギガスなどが展示されています。
武蔵野の雑木林が広がる自然林エリアや、パンパスグラスの巨大な株がシンボルとなっている芝生広場があります。
水生植物園は、本園から深大寺を挟んで南東に位置し、国分寺崖線の直下にある湧水を利用した谷戸地形の回遊式庭園です。谷戸の低湿地と、隣接する台地上の「林間散策路」があり、「深大寺城趾」として指定された史跡も含まれています。
植物多様性センターは、都内の植物多様性の保全を目的に開設された施設で、教育・普及、絶滅危惧種の保護・増殖、情報発信を行っています。展示・映像・図書などを備えた情報館と、東京都の主要な植生が再現された学習園(武蔵野・奥多摩・伊豆諸島に分割)があります。
自由広場は本園の北側、多様性センターの東に位置しており、芝生広場を囲んで歩道やベンチ、遊具が設置されています。フェンスで囲われておらず、敷地の一部には半地下型の調布市総合体育館があり、建築時の廃土を利用した「お山」からは良好な眺めが楽しめます。
神代植物公園では、以下のイベントが年間を通じて開催されます:
その他にも、大温室や特設展示場にて四季折々の展示会が催されています。
神代植物公園は、通常9時30分から17時まで開園しており、入園は16時までです。大温室と水生植物園の閉館時間は16時半です。また、桜の見頃時(3月下旬~4月上旬)や春・秋のバラフェスタの期間中の土日には、8時から早朝開園することもあります。
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)および年末年始(12月29日~1月1日)が休園日です。
入園料は以下の通りです:
無料公開日は、みどりの日(5月4日)と都民の日(10月1日)です。
神代植物公園へのアクセスは、調布駅、つつじヶ丘駅、三鷹駅、吉祥寺駅からのバス路線が便利です。
深大寺からは、当園の深大寺門または水生植物園まで数分です。鉄道駅では調布駅が最寄りですが、徒歩での所要時間は35分ほどかかります。
中央自動車道調布インターチェンジから約10分でアクセスでき、第1、第2、第3の各駐車場は7時から19時まで利用可能で、料金は1時間まで300円、その後30分ごとに100円です。大型バス専用駐車場もあり、料金は1回2,000円です。