東京国際展示場は、東京都江東区有明三丁目に位置し、株式会社東京ビッグサイトが運営する日本最大のコンベンション・センターです。「東京ビッグサイト」の愛称で親しまれており、その所在地から「有明」とも通称されます。
東京国際展示場は、中央区晴海にあった東京国際見本市会場の後継施設として1996年(平成8年)に開場しました。前身の晴海会場からの引き継ぎとして、社団法人東京国際見本市協会と株式会社東京国際貿易センター(いずれも東京都が出資)が管理・運営を行っていましたが、2003年(平成15年)に両法人が統合され、現在の株式会社東京ビッグサイトとなりました。
建築面積は約18.5万平方メートル、展示面積は約11.5万平方メートル(仮設展示場を含む)であり、日本最大のコンベンション・センターです。1980年代末期の東京都による臨海副都心計画に基づき、有明南地区に整備されました。開場以降、イベント数の増加に伴い、2015年度には過去最多の1,605万人の来場者数を記録しています。
一方で、2010年代には稼働率が限界に達しつつあり、東京オリンピック開催の影響を受けて、2016年には東新展示棟が、2019年には南展示棟がそれぞれ完成し、展示面積が8万平方メートルから11.5万平方メートルへと拡張されました。
日本国内では最大規模のコンベンション・センターですが、世界的な展示面積で比較すると36番目、アジアでは14番目の規模となっています。最大のコンベンション・センターであるドイツのハノーファー国際見本市会場の約46万平方メートルと比較すると、約4分の1の大きさです(2022年時点)。
会議棟は、東・西展示棟をつなぐ中心施設であり、高層部の逆三角形の形態が特徴的です。1,000人を収容できる国際会議場や、大小22の会議室、商業施設などが設けられており、東展示棟に通じる北コンコースにはレストラン街があります。
東展示棟は、90m×90mのホールが3つずつ計6つの展示ホールを有し、ガレリアを挟んで向かい合っています。各ホールは間仕切りを取り払うことで連結することが可能で、エントランスホールからは連絡通路にオートウォークが設置されています。
東新展示棟は2016年10月に稼働を開始した施設で、東3・6ホールと道路を挟んで接続しています。展示面積は14,760平方メートルであり、2つのホールを有し、リンクスペースを組み合わせることで1つのホールとして使用可能です。
西展示棟は1階と4階に2つずつ、計4つのホールを持ち、4階には屋上展示場もあります。展示面積は29,280平方メートルで、イベントに応じて複数のホールを一体的に使用することができます。
南展示棟は2019年に開業した施設で、西展示棟と直結しており、1階と4階に2つずつ、計4つのホールを有します。各ホールは連結して使用することが可能で、7階建ての立体駐車場が併設されています。
東京ビッグサイト内には、多数のレストランやショップがあり、各展示棟に分散して配置されています。コンビニエンスストアも複数店舗が出店しており、来場者に便利な施設となっています。
青海展示棟は2020年東京オリンピック・パラリンピックに伴い、仮設展示棟として建設され、2021年まで運用されました。展示面積は23,240平方メートルで、有明地区とのアクセスは徒歩や無料シャトルバスなどが提供されました。
有明展示場は2020年東京オリンピックの体操競技場として使用された施設を改修し、2023年5月に開業予定です。展示面積は約9,400平方メートルで、東京ビッグサイトが運営を行います。
東京ビッグサイトでは、東京モーターショーやコミックマーケット、日本国際工作機械見本市(JIMTOF)、東京インターナショナル・ギフト・ショーなど、国内外の大規模イベントが開催されます。これらのイベントは、多くの来場者を集め、施設の稼働率を高めています。
任天堂主催のイベント、プロボクシング世界戦、東京マラソンのゴール会場など、多岐にわたる催しが開催されています。また、2024年にはフォーミュラE世界選手権・東京E-Prixでの利用が予定されています。
東京2020オリンピック・パラリンピックでは、メインプレスセンター(MPC)および国際放送センター(IBC)、一部の競技会場として使用されましたが、その後のIOCの指摘により、いくつかの競技は幕張メッセで開催されることとなりました。これに伴い、新たな展示棟の建設や仮設展示場の設置が行われ、運用が続けられています。
東京ビッグサイトへのアクセスは、りんかい線「国際展示場駅」より徒歩約7分、ゆりかもめ「東京ビッグサイト駅」より徒歩約3分と、公共交通機関でのアクセスが便利です。