キャロットタワーは、東京都世田谷区太子堂に位置する商業・ホール・オフィスからなる複合ビルです。三軒茶屋駅周辺の再開発事業の一環として、1996年に完成しました。東急世田谷線に直結し、東急田園都市線三軒茶屋駅とも地下通路で接続されています。
キャロットタワーは、周囲に中低層の建物が多い中でひときわ目立つ存在であり、そのレンガ調の外壁と高層ビルという特徴から、三軒茶屋のランドマークとなっています。
キャロットタワーの展望ロビーからは、富士山や新宿のビル群のほか、レトロな路面電車(世田谷線)が走る様子も楽しむことができます。このため、買い物やデート、ファミリーでのお出かけスポットとしても非常に人気があります。
キャロットタワーの26階に位置する「スカイキャロット展望ロビー」は、地上124メートルからの眺望を楽しめるスポットとして、多くの来場者に人気です。西側の展望エリアからは、東京西部の風景を一望でき、季節によっては富士山を眺めることも可能です。東側の展望エリアからは、都心の夜景や東京タワーをはじめとする名所を見渡すことができ、昼夜を問わずさまざまな景色を楽しめます。さらに、展望ロビーにはレストランやカフェも併設されており、訪れる区民や観光客にとっても楽しめる充実したスペースとなっています。
新設された東側(都心側)の展望エリアからは、新宿副都心の高層ビル群や東京タワー、東京スカイツリーのツーショットを楽しむことができます。一方、西側(神奈川側)の展望エリアからは、富士山や世田谷区の街並みが一望でき、夕方には幻想的な夕景が広がります。時間帯によって異なる表情を見せる景色は、訪れるたびに新たな感動を与えてくれるでしょう。
キャロットタワーは、赤レンガのような外観を持ち、その独特の色合いから「キャロット」と名付けられました。この建物は、1996年に完成して以来、世田谷区三軒茶屋駅至近のランドマークとして親しまれています。外壁の色が人々に「にんじん」を連想させることから、その名前が付けられました。
キャロットタワー26階の「スカイキャロット展望ロビー」は、平成30年8月2日、一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローより日本夜景遺産(施設型夜景遺産)に認定されました。展望ロビーからは、地上約120メートルの高さから東京の夜景を一望することができ、都内有数のビュースポットとして人気を博しています。特に都心側の眺望エリアでは、新宿の高層ビル群やお台場、東京タワー、スカイツリーといったランドマークの夜景を楽しむことができます。
展望ロビーでは、夜景を楽しむために照明が控えめに設定されており、落ち着いた雰囲気の中で美しい景色を楽しむことができます。また、ロビーには「オークラレストラン スカイキャロット」があり、ここでは東の都心側からの夜景を眺めながら、本格的なコース料理を楽しむことができます。特に南側には個室も用意されており、プライベートな空間で贅沢なひとときを過ごすことができます。
三軒茶屋の地名は、江戸時代に大山への参拝の途中、この地にあった三軒の茶屋に由来しています。街道の分岐点として栄え、時代が下るにつれて関東大震災後には下町からの移住者が増え、太平洋戦争後の都市化に伴って町並みが形成されました。
世田谷区は狭い道路や木造住宅が密集し、防災面での問題が指摘されていました。人口の急増に対して都市機能が追いつかず、生活拠点としての施設作りが望まれていました。このような背景から、世田谷区は地権者と東京急行電鉄(現・東急)などと共同で「三軒茶屋・太子堂四丁目地区市街地再開発組合」を設立し、地域発展の核施設を目的とした開発事業が計画されました。
キャロットタワーは地下5階、地上27階建て(利用階は26階まで)で、高層棟、中層棟、低層棟の3つの棟で構成されています。
高層棟は1階に銀行支店、2階に行政窓口、3階から5階には世田谷文化情報センター「生活工房」があります。6階から25階はオフィスフロアとなっており、最上階の26階には展望レストラン「オークラレストランスカイキャロット」、エフエム世田谷サテライトスタジオ、および展望スペースが設けられています。
また、高層棟には東急セキュリティ、東急ビルメンテナンス、寛斎スーパースタジオなどの本社が入居しています。
中層棟には(公財)せたがや文化財団が運営する「世田谷パブリックシアター」があり、プロセニアム形式とオープン形式の使い分けが可能な舞台で、演劇、舞踊、音楽などの上演が可能です。また、客席勾配の変更も可能で、ホワイエにも特徴があります。客席は3階層600席です。
低層棟には世田谷線三軒茶屋駅と、文化財団が運営する小劇場「シアタートラム」があります。
キャロットタワーの名称は公募により決定され、1488通の応募の中から「発想が豊かで新鮮。ビタミンたっぷりで元気の出る名前は将来の発展にふさわしい」との理由で選ばれました。名付け親は区内の中学1年生で、「キャロットタワー」という名前が採用されました。
また、毎年10月にはキャロットタワーを利用した「三茶de大道芸」と称するイベントが開催され、多くの人々で賑わいます。
高層棟および中層棟の地下1階から地上2階には「三軒茶屋とうきゅう」が核テナントとして入っており、2017年には地下1階の東急ストアが売り場の改装やセミセルフレジを導入してリニューアルされました。翌年の2018年5月には1階も生活雑貨店が集まり、「キャロットストリートサンチャ」として新たにオープンしました。
2階にはTSUTAYA三軒茶屋店やカラダファクトリー三軒茶屋キャロットタワー店が営業していましたが、2023年にはTSUTAYAが縮小し、ユニクロ三軒茶屋店が新たにオープンしました。これにより、ユニクロが長らく存在しなかった三軒茶屋に登場しました。
キャロットタワーの外観デザインは、世田谷の新たな象徴として、建物の外部からアトリウムの壁面、さらには外壁へと、レンガの鮮やかな赤色を形を変えて展開させたものです。これは、世田谷の空に立つ再開発の記念碑として設計されました。
キャロットタワーは東急世田谷線に直結し、東急田園都市線三軒茶屋駅とも地下通路で接続されており、アクセスが非常に便利です。多くの人々に利用される施設で、周辺のランドマークとしても親しまれています。