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世田谷パン祭り

(LA FETE DU PAIN SETAGAYA)

日本最大級のパンの祭典

世田谷パン祭りは、東京都世田谷区池尻・三宿界隈を会場に毎年開催される日本最大級の「パン」をテーマにしたイベントです。「パンの祭典」とも呼ばれ、日本全国から注目のパンや美味しいパンが集まります。2018年には約50,000人が来場しました。

イベントの発足と背景

「三宿四二〇商店会」とパン祭りの発足

このイベントの発足には「三宿四二〇商店会」(Mishuku R.420)の設立が深く関わっています。IID 世田谷ものづくり学校の副校長を務めていた間中伸也氏が2008年に三宿通りでハンカチショップを開店したことがきっかけでした。彼は地域の店同士で協力し、通りを活性化させるために商店会を作ることを提案し、「三宿四二〇商店会」が2009年に設立されました。

商店会のコンセプトと最初のイベント

商店会の目的は、地域内外の人々が集まり交流しながら創造的で洗練された体験ができる「キャンパス」のようなまちづくりです。商店会の設立後、地域に多くの人を集めるために大きなイベントを開催する必要性がありました。当初はパン祭りの前に別のイベントを実施しましたが、期待したほどの集客がありませんでした。

パン祭りの始動

そこで、間中氏は「パン」をテーマにしたイベントを考案しました。地域には有名なパン屋が多く、商店会の中にも2軒のパン屋がありました。パン祭りの発想が生まれ、商店会が協力して開催することになりました。イベントの準備にあたって、間中氏は太子堂の「シニフィアン・シニフィエ」のパン職人である志賀勝栄氏に協力を依頼し、彼の賛同を得ることができました。

パン祭りの成功と発展

第1回パン祭りの成功

初回の2011年には、約40店のパン屋が世田谷区を中心に参加し、7,000人を超える来訪者が集まりました。志賀氏にとってもこの盛況は予想外で、パン愛好者の多さに驚きました。パン祭りの成功により、商店会の他の飲食店も協力するようになり、次第に規模を拡大していきました。

規模拡大とさらなる発展

2回目からは世田谷公園を会場に使用し、行政との連携も整いました。2014年の開催では来訪者が20,000人を超え、2015年からは2日間の開催となりました。2018年の開催では2日間で50,000人以上が来訪しました。パン祭りの成功により商店会への加入も増え、イベントの影響力が広がりました。

地域との結びつきとボランティアの役割

パン祭りは地域住民や全国のパン愛好者に支持されており、200人以上のボランティアがイベントを支えています。間中氏は「ボランティアをリピートする方が増え、イベントが同窓会のような場所になれば」と期待を述べています。

世田谷パン祭りの内容と特色

多彩な出店と限定パンの販売

会場となるのは世田谷公園や池尻小学校第2体育館、IID 世田谷ものづくり学校などで、パンの販売だけでなく、ライブやパフォーマンスイベント、屋台、会場限定パンの販売などが行われます。人気のパンは開場後すぐに売り切れることが多く、ジャムやコーヒーなども販売されます。

パン大学の開催

「パン大学」というワークショップも開催されており、世界各国の食文化とパンのかかわりを学ぶ講座や、簡単なパン作りのセミナーなど多岐にわたる内容が提供されています。間中氏は「パンを買って、持ち帰って食べて終わりではなく、子どもも含めて一日中楽しめることを目指しています」と述べています。

評価と課題、今後の目標

評価

世田谷パン祭りはパンに関するイベントとして日本最大級であり、民間から始まったイベントとしては破格の動員数を誇ります。地域の特色を活かし、地域活性化に寄与していると評価されています。

課題とその解決策

しかし、集客数の増加に伴い、来場者の行列や待ち時間が課題となっています。事務局では、会場の規模拡大や開催期間の延長、優先入場券の発売などで混雑の緩和を図っています。

今後の目標

パン祭りは一時的な成功にとどまらず、地域の活性化と持続可能な運営を目指しています。間中氏たちは、イベントが地域の人々に愛され、長く続くものとなるよう、様々な取り組みを続けています。

Information

名称
世田谷パン祭り
(LA FETE DU PAIN SETAGAYA)

下北沢・三軒茶屋

東京都