東京ミッドタウンは、東京都港区赤坂九丁目に位置する三井不動産が手がけた複合施設です。この施設は2007年3月30日に開業し、以来、六本木エリアのランドマークとして多くの人々を魅了してきました。本記事では、東京ミッドタウンの概要や歴史、主な施設について詳しくご紹介します。
東京ミッドタウンは、オフィスビルや高級ホテル、商業施設、美術館、レジデンス、医療機関、公園など多岐にわたる施設で構成されています。この複合施設の中核をなす「ミッドタウン・タワー」は、地下5階、地上54階、高さ248.1メートルを誇り、開業当時は東京都内で最も高いビルとなりました。
東京ミッドタウンには、ザ・リッツ・カールトン東京やサントリー美術館、東京ミッドタウン・クリニックといった著名な施設が含まれており、またオフィスビルには多くの有名企業が入居しています。コカ・コーラ ボトラーズやシスコシステムズ、富士フイルムホールディングス、ファーストリテイリング(ユニクロ)など、さまざまな企業が本社や東京本部をこの地に構えています。
東京ミッドタウンは、「デザイン」を再開発全体のテーマの一つとしています。グッドデザイン賞を主催する財団法人日本産業デザイン振興会がこの地に誘致され、また、三宅一生デザイン文化財団が運営する「21_21 DESIGN SIGHT」も開業しました。これにより、東京ミッドタウンはデザインの拠点としても注目を集めています。
東京ミッドタウンは、隣接する港区立檜町公園と合わせて約4ヘクタールの緑地帯を確保しています。桜並木も移設され、春には美しい花見が楽しめるスポットとなっています。他の再開発プロジェクトと比較して、敷地面積内に占める緑地帯の割合が大きいことが特徴です。この緑豊かな環境は、都会の喧騒から離れてリラックスできる場所として、多くの人々に親しまれています。
東京ミッドタウンが位置する土地は、1641年から1871年まで萩藩毛利家の屋敷として使用されていました。明治時代に入ると、陸軍の駐屯地として利用され、その後、大日本帝国陸軍の歩兵第一および第三連隊がここを使用しました。第二次世界大戦後、1946年からはアメリカ軍に接収され、米軍将校の宿舎として使われました。サンフランシスコ講和条約発効後の1960年に日本に返還され、防衛庁の本庁舎が設置されました。
1988年、国土形成促進法に基づき、防衛庁を含む49の行政機関の移転が閣議決定されました。これを受け、東京都は1996年から1997年にかけて跡地利用計画の査定調査を実施。その後、公共的利用を図ることが決定し、1999年には大蔵省、東京都、港区が合同で「防衛庁本庁舎檜町庁舎跡地開発に関する三者協議会」を設置しました。
2000年に防衛庁本庁は新宿区市ヶ谷に移転し、その跡地には再開発計画が進められました。国際コンペティションの結果、ニューヨークを拠点とするスキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル (Skidmore, Owings & Merrill LLP) が全体計画を担当しました。
東京ミッドタウンは、民間都市再生事業計画として認定され、2004年5月に工事が開始されました。そして、2007年1月に竣工し、同年3月30日に正式に開業しました。初年度には、目標だった3,000万人を上回る年間3,500万人の来訪者を集め、六本木ヒルズに次ぐ人気スポットとなりました。
また、クリスマスシーズンには「スターライトガーデン」という大規模なイルミネーションイベントが開催され、約2,000平方メートルの芝生広場が幻想的な光の空間に変わります。このイベントは無料で楽しめることから、多くの人々に親しまれています。
東京ミッドタウンの中核をなす「ミッドタウン・タワー」は、地上54階、地下5階、248.1メートルの高さを誇ります。このタワーには、オフィスフロアや高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン東京」が入居しており、東京を代表するランドマークとなっています。
ミッドタウン・イーストは、地上25階、地下4階、114.1メートルの建物で、オフィスフロアや高級マンション「東京ミッドタウン レジデンシィズ」が含まれています。また、コナミグループの本社などもこのビルに入居しており、企業の集積地としても重要な役割を果たしています。
東京ミッドタウンには、サントリー美術館やビルボードライブ東京、サービスアパートの「オークウッドプレミア東京ミッドタウン」など、さまざまな文化・商業施設が集まっています。これにより、東京ミッドタウンは仕事や住まい、文化を一体化させたライフスタイルを提供する都市空間となっています。
東京ミッドタウンは、東京都港区の再開発プロジェクトの象徴として、現代的で多機能な都市空間を提供しています。その豊富な施設や緑地、歴史的背景など、多くの魅力が詰まったこのエリアは、観光客からビジネスマンまで幅広い層に支持されています。これからも東京ミッドタウンは、都市生活を豊かにするための場所として発展を続けることでしょう。