東京都 » 東京都内(23区) » 渋谷・原宿・表参道

Bunkamura

(ぶんかむら)

Bunkamura(文化村)は、東京都渋谷区道玄坂に位置する大型複合文化施設です。1989年に開業し、現在も多くの人々に愛され続けています。この施設は、企画展用の美術館、ミニシアター、コンサートホールなどで構成され、多様な文化活動を楽しむことができる場を提供しています。

施設の歴史と背景

設立の経緯

Bunkamuraの誕生は、東急グループの「3C戦略」に基づいています。この戦略の「3C」とは、「Culture(文化)」、「CATV(東急有線テレビ、現:イッツ・コミュニケーションズ)」、「Card(クレジット、現:東急カード)」の頭文字を取ったものです。Bunkamuraは、東急グループの文化戦略の中心的プロジェクトとして、文化の創造と提供を行う場として位置付けられました。

このプロジェクトは、東急グループの総帥であった五島昇氏の影響を受け、1975年に設立された東映太秦映画村の成功に着想を得て、渋谷の再開発計画「渋谷計画1985」の一環として始まりました。

施設の設立と開業

1984年2月に「東急文化村」の設立が決定し、同年4月には東急百貨店内に「文化事業開発室」が創設されました。その後、1989年9月3日、日本初の大型複合文化施設として「Bunkamura」が開業しました。

Bunkamuraは、東京フィルハーモニー交響楽団がオーチャードホールとフランチャイズ契約を結び、本拠地として年8回の定期演奏会を行うなど、文化の発信拠点としての役割を果たしています。また、同施設では様々なイベントや公演が行われ、長年にわたり多くの観客を魅了してきました。

施設の構成と特徴

多彩な文化施設

Bunkamuraは、音楽、演劇、美術、映画といった多岐にわたる文化活動をサポートするための施設が充実しています。コンサートホール「オーチャードホール」では、クラシック音楽を中心に、多彩なジャンルの音楽が楽しめます。また、劇場「シアターコクーン」では、演劇やミュージカルが上演され、新しい才能の発掘と支援が行われています。

さらに、美術館「ザ・ミュージアム」では、企画展が定期的に開催され、美術愛好家にとって貴重な作品を見る機会を提供しています。ミニシアター「ル・シネマ」では、選りすぐりの映画が上映され、映画ファンにとっても欠かせない場所となっています。

カフェやアートショップ

施設内には、文化体験をさらに豊かにするためのカフェやアート関連ショップも併設されています。これらの場所では、観覧後にゆったりとした時間を過ごすことができ、文化と芸術をより身近に感じることができます。

アクセスと利便性

Bunkamuraは、渋谷駅から徒歩圏内に位置しており、渋谷スクランブル交差点から文化村通りを経て簡単にアクセスできます。また、隣接する東急百貨店本店とは連絡通路で結ばれており、非常に利便性の高い立地となっています。

2023年以降の大規模改修

改修工事の概要

2023年春以降、隣接する東急百貨店本店が老朽化に伴う閉店・建て替えを予定していることに伴い、Bunkamuraも大規模改修工事を実施します。この工事により、オーチャードホールを除き、長期休館が予定されています。

休館中も自主制作公演や展覧会は、横浜みなとみらいホール、東急シアターオーブ、THEATER MILANO-Zaなどの代替施設で開催されます。また、ミニシアター「ル・シネマ」も渋谷TOEI跡地に移転し営業を継続するなど、Bunkamuraの文化活動は引き続き続行される予定です。

主なイベントとフランチャイズシステム

代表的なイベント

Bunkamuraでは、数々の著名なイベントが開催されてきました。例えば、「東急ジルベスターコンサート」は、年末恒例のクラシック音楽のコンサートとして多くの観客を魅了しています。また、「渋谷・コクーン歌舞伎」や「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」など、様々なジャンルのイベントが展開され、文化の発信地としての役割を果たしています。

フランチャイズ契約

東京フィルハーモニー交響楽団がオーチャードホールを本拠地とするほか、熊川哲也が芸術監督を務めるK-BALLET COMPANYや、オンシアター自由劇場などもフランチャイズ契約を結び、公演を行っています。これらの活動は、Bunkamuraが多様な芸術活動を支援し、発展させる場であることを象徴しています。

オフィシャルサプライヤーと会員組織

オフィシャルサプライヤー制度

Bunkamuraでは、文化・芸術の長期的な支援を目的として、複数の企業によるオフィシャルサプライヤー制度を採用しています。現在、オムロン、鹿島建設、大和証券グループ、キリングループ、ニトリ、東急グループなどが参加しています。この制度により、Bunkamuraは安定的な運営を続け、文化の発展に寄与しています。

会員組織の充実

Bunkamuraでは、「MY Bunkamura」という会員組織を提供しています。この組織では、Bunkamuraや東急シアターオーブ、セルリアンタワー能楽堂のチケット販売やメールマガジン配信を行っており、登録者には様々な特典が提供されます。また、「オーチャードフレンズ」や「倶楽部B」といった法人向けの会員制度もあり、文化活動を支援するための様々なサービスが展開されています。

まとめ

Bunkamuraは、日本初の大型複合文化施設として、長年にわたり多くの人々に文化と芸術の場を提供してきました。その豊富な施設と多彩なイベントは、訪れる人々に深い感動と新しい発見をもたらします。2023年以降の改修工事により、さらに進化を遂げるBunkamuraは、これからも日本の文化の中心地として、その役割を果たし続けるでしょう。

Information

名称
Bunkamura
(ぶんかむら)

渋谷・原宿・表参道

東京都