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慈雲山 長泉寺

(ちょうせんじ)

長泉寺は、東京都渋谷区にある曹洞宗の寺院で、山号は「慈雲山」と称されます。この寺院は、都心の喧騒から少し離れた場所にあり、訪れる人々に静寂と安らぎを提供しています。

長泉寺の歴史

長泉寺の創建は、鎌倉時代の文治年間(1185年-1190年)に遡ると伝えられています。その後、戦国時代の文禄元年(1559年)に、曹洞宗青松寺の7世瑞翁によって再興されました。さらに、その後も14世の不中によって再興が行われ、現在の姿へと至っています。長い歴史の中で、長泉寺は数々の試練を乗り越え、現在も渋谷区内でその存在感を保ち続けています。

人肌観音と滝見堂

長泉寺は、特に「人肌観音(金王丸守護仏)」で知られています。この観音像を安置するために建てられた滝見堂は、かつては室町時代に穏田川(現在の渋谷川)の滝のそばにありました。この観音像は、金王丸の守護仏として崇められており、多くの参拝者が訪れる場所となっています。

石仏群

長泉寺の本堂裏手に広がる墓地の奥には、山手線の築堤に沿って約200体もの石仏が安置されています。これらの石仏群には、一面観音、千手観音、馬頭観音、地蔵菩薩などが含まれており、その多様性と数の多さから、石仏研究者や歴史愛好家が足を運ぶ場所となっています。長泉寺の石仏群は、静寂の中に佇む仏たちの存在が感じられる場所であり、訪れる人々に深い感慨を与えます。

鏡の井戸の伝説

現在、長泉寺の駐車場がある場所には、かつて「鏡の井戸」と呼ばれる井戸が存在していました。この井戸は、広島藩穏田屋敷内にあったもので、屋敷の主である自昌院とその娘にまつわる逸話で知られています。

その伝説によると、自昌院の娘は非常に器量が悪かったため、自らの顔を見ないようにと鏡を井戸に投げ込んだとされています。しかし、ある日井戸を覗いた娘は、水面に映った自分の顔を見て落胆しますが、その後、心を入れ替えて心優しい人間になろうと決意したと伝えられています。この伝説は、長泉寺の歴史に彩りを添える逸話として語り継がれています。

長泉寺の所在地と周辺環境

長泉寺は、東京都渋谷区神宮前6丁目に位置し、山手線の渋谷駅と原宿駅の間に挟まれた場所にあります。この地域は、現代的な建物や商業施設が立ち並ぶエリアでありながら、長泉寺の静かな佇まいが訪れる人々に安らぎを提供しています。

寺院の北側には、キリンビール本社や京セラ原宿ビルなどが隣接しており、都市の中にありながらも歴史の息吹を感じさせる場所となっています。明治通りに面したこの寺院は、都心の便利さを享受しながらも、歴史的な遺産としての価値を保っています。

長泉寺は、渋谷区内で歴史的価値が高い寺院の一つであり、訪れる人々に深い感銘を与える場所です。その豊かな歴史と文化的背景を持つこの寺院は、地域の宝として大切にされています。

Information

名称
慈雲山 長泉寺
(ちょうせんじ)

渋谷・原宿・表参道

東京都