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戸栗美術館

(とぐり びじゅつかん)

戸栗美術館は、東京都渋谷区松濤一丁目に位置する、東洋陶磁器を専門に保存・展示する美術館です。この美術館は、実業家である戸栗亨氏が長年にわたり蒐集した貴重な陶磁器コレクションを一般に公開する目的で設立されました。

戸栗美術館の歴史と設立背景

戸栗亨氏の生い立ちと陶磁器への情熱

戸栗亨氏は、山梨県で土木建築業を営む家に生まれ育ちました。第二次世界大戦後、日本において急速に広まった欧米文化の影響を目の当たりにし、伝統的な日本文化を守り、後世に伝えることの重要性を強く感じるようになりました。その思いから、1952年(昭和27年)に上京し、「富士工務店」の代表として、同郷の小佐野賢治氏を補佐する傍ら、将来の美術館設立を見据えて古民具や古道具の蒐集を始めました。

美術館設立への道のり

戸栗氏の蒐集活動は、1965年(昭和40年)頃から本格化し、古美術に詳しい友人たちの助言を受けながら、国内外で観賞用の陶磁器を集めるようになりました。彼の情熱と努力の結果、1987年(昭和62年)には財団法人として認可を受け、同年11月21日に日本でも数少ない陶磁器専門の美術館として戸栗美術館が開館しました。

戸栗美術館の収蔵品

開館時には、戸栗氏が寄付した1500点の美術工芸品、松濤の旧鍋島藩屋敷跡に位置する土地、建物、そして運営資金が基盤となりました。開館以降も収蔵品は増え続け、2000年時点で5000点、2008年には7000点を超える規模に達しました。特に、伊万里や鍋島といった肥前磁器を中心に、中国や朝鮮の陶磁器も多く収蔵されています。

戸栗美術館の特徴と魅力

日本の陶磁器文化を堪能できる展示内容

戸栗美術館では、定期的に展示替えを行いながら、収蔵品の中でも特に貴重な作品を一般に公開しています。肥前磁器や東アジアの陶磁器に焦点を当てた展示は、日本の陶磁器文化を深く理解するための貴重な機会を提供しています。また、陶磁器に関する研究や教育活動も行っており、専門家や愛好家から高い評価を得ています。

別館建設の計画

2000年時点では、戸栗美術館に隣接する土地に別館を建設する計画が立てられており、さらに充実した展示スペースや研究施設の拡充が期待されています。このように、戸栗美術館は日本の陶磁器文化の保存と普及に尽力し続けています。

戸栗美術館の利用案内

開館時間と休館日

戸栗美術館は、毎日10時00分から17時00分まで開館しています。ただし、入館は閉館の30分前までとなっているため、訪問の際には時間に余裕を持ってお越しください。また、毎週月曜日が休館日となっており、祝日の場合は開館しますが、翌日が休館日となります。展示替期間や年末年始も休館することがありますので、事前に確認することをお勧めします。

入場料とアクセス

入場料は、一般が1000円、高校生・大学生が700円、小・中学生が400円となっています。20名以上の団体での訪問の場合、割引が適用されます。戸栗美術館へは、渋谷駅から徒歩15分、または神泉駅から徒歩10分でアクセスできます。

Information

名称
戸栗美術館
(とぐり びじゅつかん)

渋谷・原宿・表参道

東京都