代々木公園は、東京都渋谷区に位置する広大な公園であり、東京都建設局が所管し、指定管理者は東京都公園協会、管理は代々木公園管理事務所が行っています。歴史的な背景や豊富な施設を有するこの公園は、東京の都会生活における重要な憩いの場として知られています。
代々木公園の敷地は、かつて大日本帝国陸軍の代々木練兵場があった場所で、戦後はアメリカ軍の「ワシントンハイツ」として使用されました。さらに、1964年(昭和39年)の東京オリンピックでは選手村として一部が使用され、オリンピック後に再整備されて1967年(昭和42年)に公園として開園しました。
隣接する国立代々木競技場は、オリンピック競技の舞台となった施設ですが、代々木公園には含まれていません。
代々木公園の敷地面積は約54ヘクタール(東京ドーム約11個分)であり、東京23区内の都市公園としては、水元公園、葛西臨海公園、舎人公園、光が丘公園に次ぐ広さを誇ります。公園は東京都道413号赤坂杉並線を挟んで、北側のA地区と南側のB地区に分かれており、それぞれ異なる特色を持っています。
代々木公園には、オリンピックの選手村で使用された「織田フィールド(代々木公園陸上競技場)」やサッカー場、球技用グランドが整備されています。1990年には、大小3基の噴水と水回廊を持つ水景施設が設けられ、設計は株式会社東京ランドスケープ研究所が手掛けました。
隣接する明治神宮が夜間立ち入り禁止となっているのに対し、代々木公園は24時間開放されており、訪れる人々が自由に楽しむことができます。特に、噴水広場やナイキが寄贈した屋外バスケットボールコートは、多くの若者に人気のスポットです。
代々木公園内には、災害時に利用できる応急給水施設として1,500立方メートルの給水槽が設置されています。また、サイクリングコースがあり、サイクリングセンターで自転車を借りて利用することができ、自身の自転車を持ち込むことも可能です。幼児用のサイクリングコースも整備されており、子供向けのペダルを外した自転車も利用できます。
中央の噴水広場では、多くの人々が楽器の演奏やダンスの練習を行い、夜には噴水がライトアップされます。2007年には、犬を放し飼いにできるドッグランがオープンし、小型犬用とそれ以外のスペースに分かれています。
園内には、野鳥観察ができるバードサンクチュアリや、日本初飛行の地を記念する「日本航空發始之地」の碑、14人の大東塾生らが自刃した「大東塾十四烈士」の碑など、歴史を感じさせる場所も点在しています。
環七通りからは大原二丁目交差点を曲がって井ノ頭通りに入り、富ヶ谷交差点を過ぎてすぐの場所に位置します。首都高速道路からは、中央環状線富ヶ谷出入口や4号新宿線代々木出入口を利用すると便利です。また、国道246号からも容易にアクセスできます。
JR山手線原宿駅、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅、東京メトロ千代田線代々木公園駅、小田急小田原線代々木八幡駅から徒歩でアクセスが可能です。特に原宿駅からは徒歩3分で公園に到着します。
2017年7月、東京都は2025年完成を目指して、代々木公園の南部にサッカースタジアムを建設する計画を発表しました。計画は「スクランブルスタジアム」と呼ばれ、サッカーだけでなく、ライブやイベント会場、防災拠点としても機能する多目的スタジアムを目指しています。
代々木公園は、東京都内で最も人気のある公園の一つであり、その豊富な施設やイベントは多くの人々に愛されています。四季折々の自然やスポーツ、文化的な催しを楽しむために、ぜひ訪れてみてください。