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林試の森公園

(りんし もり こうえん)

林試の森公園は、東京都目黒区下目黒と品川区小山台にまたがる都立公園です。広さや歴史的背景を持つこの公園は、かつての林業試験場の跡地に整備され、現在では自然豊かな空間として、多くの人々に親しまれています。

公園の概要

1878年(明治11年)に設立された農商務省林野整理局樹木試験所が、西ケ原(現在の東京都北区)から移転し、目黒川支流の羅漢寺川谷戸南側に「目黒試験苗圃」として1900年(明治33年)に開設されました。当時の敷地面積は約45,000坪あり、その後1905年(明治38年)に「林業試験所」、1910年(明治43年)には「林業試験場」と改名されました。

戦後もこの地域には数多くの研究所が集まり、18の研究施設が存在しました。1978年(昭和53年)に林業試験場が筑波研究学園都市へ移転した後、跡地は東京都に払い下げられ、1989年(平成元年)6月1日に「都立林試の森公園」として開園しました。現在の開園面積は12ha(約36,000坪)です。

見どころと自然環境

林試の森公園は、東西に700m、南北に250mの細長い形をしており、約45分で外周を一周することができます。公園内の大半の樹木は、林業試験場時代からそのまま残されており、国内外の珍しい樹木が多く見られるのが特徴です。特に、絶滅危惧種のハナガガシや、他の公園ではなかなか見られない樹木が数多く配置されています。

巨樹

100年以上の歴史を持つ林試の森公園には、幹回り3mを超えるケヤキ、クスノキ、ポプラ、スズカケノキなどの巨木がそびえ立ち、壮観なスカイラインを形成しています。特に芝生広場にある「大きなクスノキ」は公園のシンボルツリーとして、訪れる人々に圧倒的な景観を提供しています。

野鳥観察

この公園では、都心では珍しいオオルリ、キビタキ、カワセミ、サンコウチョウといった野鳥が観察されています。また、オナガやシジュウカラ、コゲラは一年を通して見られ、流れにはカモ類やコサギが飛来し、バードウォッチングを楽しむことができます。

ジャブジャブ池

ジャブジャブ池は、低学年までの子どもたちが夏に水遊びを楽しめる施設です。池は白御影石で飾られ、石には動物のデザインが描かれています。滝石からは3つのノズルで水が放出され、毎年多くの子どもたちに人気の場所となっています。

池・流れ

林試の森公園はかつて湿地であり、その名残として、現在も上池と下池、小水路が公園内に設けられています。池と水路を背景にした景観は素晴らしく、四季折々の自然を楽しむための場所として、写生会などに利用されています。

四季折々の花

春にはサクラやソメイヨシノ、カワヅザクラが咲き誇り、夏にはアジサイやハナショウブ、シマサルスベリなどが見頃となります。秋にはキンモクセイが美しく咲き、冬にも園内の樹木が見事な景観を提供します。

拡張計画

現在、林試の森公園では拡張計画が進められています。公園南に隣接する国家公務員住宅跡地(2.2ha)および西に隣接する都営住宅跡地(0.5ha)の一部を、公園の拡張領域として整備する計画です。これにより、公園のさらなる発展が期待されています。

園内の施設

園内には、林業試験場時代の樹木がそのまま保存されており、ケヤキやクスノキ、プラタナス、ポプラ、スズカケノキなどの巨木が数多く見られます。また、カイノキやトチュウ、シナユリノキ、チンタオトゲナシニセアカシア、ベニカエデなど国内外の珍しい樹木もあり、解説プレートが付けられているため、樹木観察が楽しめます。

特に、幹周が3.82mのケヤキや、最も高い35.5mのポプラが見どころです。また、アベマキの古木には、都区内で珍しいミズイロオナガシジミが発生しています。

園内中央には小さな谷地形があり、かつてこの地域を流れていた品川用水の名残である水車が復元されています。その他、芝生広場やデイキャンプ施設、子ども向けのジャブジャブ池など、家族連れに嬉しい施設が充実しています。

アクセス情報

林試の森公園へのアクセスは、東急目黒線の不動前駅または武蔵小山駅から徒歩でアクセス可能です。また、渋谷駅や恵比寿駅、五反田駅からは東急バス渋72系統「林試の森入口」で下車します。最寄りの入口は「あかしあ門」ですが、他の入口に近いバス停もありますので、目的地に合わせて選ぶと便利です。

Information

名称
林試の森公園
(りんし もり こうえん)

目黒・中目黒

東京都