松岡美術館は、東京都港区白金台に位置する私立美術館で、昭和50年(1975年)11月に開設されました。美術館は、東京の中心にありながら、静かな環境で芸術を鑑賞できる場所として、多くの人々に親しまれています。
当初、松岡美術館は新橋にある自社ビル内に開設されました。しかし、平成12年(2000年)4月には、現在の白金台に新たな美術館が建設され、創立者の私邸跡地へと移転しました。創設者である松岡清次郎(1894年 - 1989年)は、松岡地所の創立者であり、骨董品収集に情熱を注いでいました。
彼が本格的に美術品の収集を始めたのは、78歳の時、ヨーロッパでのオークション経験がきっかけでした。特に「青花双鳳草虫図八角瓶」(元代作)と「青花龍唐草文天球瓶」(明・永楽期作)の購入が、美術館設立の決意を固めさせたと言われています。
松岡美術館のコレクションは、非常に多岐にわたっています。ブールデルやヘンリー・ムーアといった現代彫刻から、ガンダーラ石造彫刻や中世ヒンドゥー教彫刻に至るまで、幅広い分野の作品が収蔵されています。また、中国・朝鮮・日本・ベトナムの東洋陶磁器や、室町時代から昭和時代にかけての日本絵画、さらにルノワールやモディリアーニ、ヴラマンクなどのフランス近代絵画も展示されています。
松岡美術館には、以下のような名だたる西洋画家の作品が収蔵されています:
日本画の収蔵品も豊富で、以下の作品が代表的です:
松岡美術館の陶磁器コレクションには、以下のような貴重な作品があります:
特に、松岡清次郎が1974年にロンドンのサザビーズで42万ポンド(当時の日本円換算で約2億5千万円)で購入した「青花龍唐草文天球瓶」は、当時の最高値を記録しました。
ガンダーラの彫刻作品も多く所蔵されており、以下のような作品があります:
松岡美術館は、設備点検等のため、2019年6月から2022年1月25日まで休館していましたが、2022年1月26日より再開しました。再開後は、さらに多くの美術ファンを迎え入れ、豊富なコレクションを展示しています。
松岡美術館へのアクセスは、以下の通りです: