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西郷山公園

(さいごうやま こうえん)

西郷山公園は、東京都目黒区青葉台に位置する目黒区立の公園です。この公園は、歴史的な背景と豊かな自然が調和した、都心のオアシスとして多くの人々に親しまれています。

歴史

幕末から明治時代にかけて

西郷山公園の敷地は、幕末には豊後国岡藩主・中川家の抱え屋敷があった場所であり、特に当時の回遊式庭園は名所として知られていました。明治時代に入ると、西郷隆盛の実弟である西郷従道がこの地を購入し、兄・隆盛の再起を願っていたものの、西南戦争で隆盛が亡くなったため、従道自身の別邸として利用されました。

この別邸には、フランス人の土木建築技師レスカスが設計した洋館と、書院造りの和館が並んでいました。しかし、1941年に西郷家が渋谷に移転したため、この地は当時の鉄道省(戦後の日本国有鉄道)に引き渡されました。

戦後の変遷

1932年から1933年にかけて、西郷山の雑木林は貰い子殺人事件の遺体遺棄現場となり、戦後の歴史にもその名を残しています。その後、第二次世界大戦中の空襲により和館が焼失し、西郷邸があったころの面影は次第に薄れていきました。残っていた洋館は1963年に愛知県犬山市の明治村に移築され、現在では国の重要文化財に指定されています。

戦後は、日本国有鉄道(国鉄)傘下の日本プロ野球チーム「国鉄スワローズ」の選手合宿所として使用されたこともありました。

公園としての再生

その後、邸宅跡地の一部が公園として整備され、当地付近の通称であった「西郷山」の名を受け継いで、西郷山公園として1981年5月28日に開園しました。現在の公園には、西郷邸の名残を感じさせるものは少ないものの、歴史を感じさせる静かな場所として親しまれています。なお、かつて西郷邸の和館や洋館があった場所は、近接する菅刈公園付近にあたります。

主な施設

西郷山公園はその名の通り、台地の斜面を利用した高低差のある公園です。特に、最上部に位置する展望台からの眺めは素晴らしく、冬の晴天時には富士山が見えることでも有名です。

施設の詳細

公園の面積は10,549平方メートルであり、四季折々の自然を楽しむことができます。また、ドラマ「東京ラブストーリー」をはじめとする様々な映像作品のロケ地としても知られています。

アクセスと利用案内

アクセス

西郷山公園へのアクセスは、以下の通りです。

開園時間と入園料

公園は常時開園しており、入園は無料です。ただし、撮影などでの利用は事前に許可が必要で、利用料金が発生する場合がありますので、公園事務所に問い合わせることをお勧めします。

まとめ

西郷山公園は、歴史と自然が織りなす穏やかな空間であり、訪れる人々に静かな時間を提供します。目黒区内にありながら、豊かな緑と眺望を楽しめるこの公園は、都心の喧騒を忘れるのに最適な場所です。歴史的背景を感じながら、四季折々の風景を楽しんでみてはいかがでしょうか。

Information

名称
西郷山公園
(さいごうやま こうえん)

目黒・中目黒

東京都