東京都 » 東京都内(23区) » 目黒・中目黒

目黒天空庭園

(めぐろ てんくう ていえん)

目黒天空庭園は、東京都目黒区大橋にある屋上庭園です。首都高速道路の大橋ジャンクションの屋上に作られ、2013年3月30日にオープンしました。都会のオアシスとして、多くの人々が訪れる憩いの場となっています。

庭園の概要

目黒天空庭園は、首都高速道路3号渋谷線と中央環状線を結ぶ大橋ジャンクションの屋上に広がる緑地庭園です。ドーナツのような楕円形が特徴的で、地上11メートルから35メートルの高さに位置し、全長は約400メートルあります。平均6%の勾配がついたループ状の庭園は、歩行者が楽しめるよう設計されています。庭園内には約30種類の樹木や花が植えられており、四季折々の自然を楽しむことができます。

開園時間は午前7時から午後9時までで、エレベーターが設置されているため、車椅子やベビーカーでも利用可能です。バリアフリー対策が施され、すべての人に優しい空間を提供しています。

庭園の背景と環境への配慮

大橋ジャンクションは、少ない敷地で高低差を克服するためにループ状の構造で建設されました。都市公園法に基づき、目黒区が首都高速道路から占用許可を受けて緑地化され、都市環境の改善を目的として設計されました。

この庭園は、ヒートアイランド現象の緩和や省エネルギー、生物多様性の促進など、環境に対する配慮がなされています。その取り組みが評価され、2013年にはグッドデザイン賞や都市公園コンクールで国土交通大臣賞を受賞しました。また、2014年には第13回屋上・壁面・特殊緑化コンクールでも同じ賞を受賞し、都会のオアシスとして注目されています。

庭園のエリア紹介

東口広場

東口広場は庭園の入口で、シンボリックな景観植栽が特徴です。展望台デッキからは、アカマツ越しに富士山を望むことができます。

四季の庭

四季の庭では、季節ごとに変化する植栽を楽しめます。北から南へと続く段々畑には花が植えられ、春から秋にかけて色とりどりの花が咲きます。

あそびの広場

穏やかな曲線を描く築山やタギョウショウの丸みを帯びた樹形が調和し、野の原の景色を再現しています。子どもたちが遊べる広場として人気です。

くつろぎの広場

くつろぎの広場では、日本庭園の要素を取り入れた植栽が楽しめます。芝生広場やつづら折りの園路、信楽焼きの大鉢に植えられたクロマツなどがあり、落ち着いた空間を提供しています。

潤いの森

潤いの森は、雑木を主体とした自然豊かなエリアです。明るく開放的な花の広場や木陰を楽しめる雑木のトンネルがあり、散策にぴったりの場所です。

コミュニティスペース

コミュニティスペースでは、生活に身近な果樹や野菜、花が植えられています。柑橘類やつる植物などもあり、季節ごとの楽しみがあります。

西口広場

西口広場では、紅葉の美しいコハウチワカエデが主木として植えられ、心地よい緑陰が広がる集いの場所です。

もてなしの庭

目黒地区でかつて盛んだったタケノコ栽培にちなんで、竹林を再現したエリアです。歴史的な背景を感じさせる庭です。

アプローチ空間

勾配や段差を活かした植栽が施されており、日陰でも育つ植物が配置されています。独自の空間デザインが特徴です。

奥の庭

奥の庭では、枯山水の景観が広がり、斑入りの地被植栽が美しく整えられています。日陰に強い植物を用いた落ち着いたエリアです。

オーパス夢ひろば

巨大な壁に囲まれた空間では、カツラを主木として空へと伸びる美しい樹形を楽しむことができます。都会の喧騒を忘れる静かな広場です。

周辺の再開発地区

大橋ジャンクション周辺は、再開発が進む「オーパス目黒大橋」と呼ばれるエリアに位置します。庭園やオーパス夢ひろば(フットサルコート、じゃぶじゃぶ池)のほか、プリズムタワーやクロスエアタワーといった高層マンションが立ち並んでいます。また、国道246号や目黒川に近く、桜並木が広がるエリアとしても知られています。

ぶどう栽培とワイン作り

庭園では、開業当初からぶどうの栽培が行われています。赤ワイン品種のマスカット・ベーリーAが育てられ、山梨県甲州市のワイナリーでブドウと共に醸造されています。年間約300本のワインが製造されており、都市の中でぶどう栽培を行う珍しい取り組みです。

アクセス情報

目黒天空庭園へのアクセスは、東急田園都市線の池尻大橋駅から徒歩約5分です。都会の喧騒を離れ、自然を感じられるこの庭園は、多くの人々にとって貴重な憩いの場となっています。

Information

名称
目黒天空庭園
(めぐろ てんくう ていえん)

目黒・中目黒

東京都