いせや総本店は、東京都武蔵野市吉祥寺に位置する飲食店で、主に焼き鳥を提供する老舗の飲食業者です。1928年(昭和3年)に精肉業者として創業し、現在は焼き鳥の名店として知られています。東京都内でも有名な飲食店であり、庶民的な価格設定や独自の雰囲気が、多くの人々に愛されています。
いせや総本店は、1928年に精肉業者として創業しました。その後、1953年に2階建ての店舗に改築され、翌年には1階に精肉店、2階にはすき焼き屋が開業しました。1958年には焼き鳥店として営業を開始し、庶民的な価格で提供することにより、多くの顧客を獲得しました。焼き鳥は一本80円という低価格で提供され、1,000円程度でつまみとお酒を楽しむことができる、気軽に訪れることができる店となりました。
いせや総本店の現在の店舗は、2008年5月に御殿山に完成した14階建てのビルの1・2階に位置しています。旧店舗の木造建築が老朽化したため、2006年に一旦閉店し、その後新しいビルで営業を再開しました。このビルの設計は株式会社新建築設計事務所が手掛け、地下1階には国産和牛を使用したすき焼き・しゃぶしゃぶの専門店『肉(すきやき)いせや』が入居しています。
いせや総本店のメニューには、焼き鳥の他にも、豚のカシラやシロ、タン、ハツ、レバーなどの部位が提供されています。これらの部位は特に人気があり、売り上げも高いとされています。いせやは、庶民的な価格設定だけでなく、その独特な雰囲気や味で、多くの著名人にも愛されています。例えば、フォークシンガーの高田渡や俳優の渡辺哲がこの店の常連でした。
いせや公園店は、井の頭恩賜公園入口に位置する支店で、1960年に開店しました。旧店舗は約50年間にわたり営業していましたが、老朽化と2011年の東日本大震災による影響で改築されることになりました。旧店舗は2012年7月に閉店し、1年余りの一時休業を経て、2013年9月11日に新店舗が開店しました。新店舗には350席が設けられており、広々とした空間で多くのお客様を迎えています。
旧公園店の解体後、現代美術活動家の加藤翼が、旧店舗の廃材を使って巨大構築物を制作し、井の頭公園西園グラウンドで「引き興し」というアートイベントを開催しました。このイベントは、中央線沿線を舞台としたアートイベント「TERATOTERA2012」の一環として行われ、多くの人々が参加しました。旧公園店の写真パネルは、現在北口店の店内で見ることができます。
いせや総本店の北口店は、吉祥寺駅北口の吉祥寺パーキングプラザ地下1階に位置し、2012年8月に正式な店舗として開店しました。北口店は、総本店の仮店舗として営業していた旧北口店とは異なり、新たに開設された店舗です。店内には、旧公園店の写真パネルが飾られ、訪れるお客様にその歴史を伝えています。
いせや総本店は、その独特な雰囲気と歴史から、さまざまな映画や漫画、テレビ番組にも登場しています。例えば、フォークシンガー高田渡を取り上げたドキュメンタリー映画「タカダワタル的ゼロ」や、藤田宜永原作の映画「転々」では、いせやが舞台として使われました。また、漫画「GTO」や「クッキングパパ」でも、いせやが登場し、作品の中でその存在感を示しています。
いせや総本店は、武蔵野市御殿山1-2-1に位置し、いせやビルの1・2階で営業しています。また、同ビルの地下1階には『肉(すきやき)いせや』が入居しており、上質な国産和牛を使用した料理を楽しむことができます。さらに、吉祥寺南町にはいせや公園店、吉祥寺パーキングプラザには北口店があり、それぞれ異なる魅力を持つ店舗として、多くのお客様に親しまれています。