武蔵国分寺は、東京都国分寺市に位置する真言宗豊山派の寺院です。山号は医王山、院号は最勝院とされ、本尊は薬師如来です。武蔵国分寺は、奈良時代に聖武天皇の詔により建立された国分寺のうち、武蔵国国分寺の後継寺院としてその名を残しています。
武蔵国分寺は、かつての武蔵国国分寺の後継としての歴史を持つ寺院で、その所在地は東京都国分寺市にあります。創建当時の国分寺に関する史跡については、近隣に位置する「武蔵国分寺跡」をご覧いただけます。
武蔵国分寺の歴史は非常に古く、『医王山国分寺縁起』によれば、元弘3年(1333年)の分倍河原の戦いで国分寺は一度焼失しましたが、建武2年(1335年)に新田義貞によって薬師堂が再建されました。その後、寺院は一時的に衰退しましたが、1725年に本堂が再建され、宝暦6年(1756年)頃には薬師堂も再び建てられました。
武蔵国分寺の境内には、さまざまな文化財や名所があります。薬師堂は、建武2年(1335年)に新田義貞が旧国分寺の金堂跡に建立したと伝えられています。現在の建物は宝暦年間(1751年-1763年)の再建であり、内部には国の重要文化財に指定されている薬師如来坐像が安置されています。
仁王門は宝暦年間(1751年-1763年)に建立された入母屋造の八脚門で、国分寺市の文化財に指定されています。また、楼門は東久留米市の米津寺から明治28年に移築されたもので、こちらも市の文化財として保存されています。
境内には、元国分寺住職が昭和25年から38年にかけて万葉集に歌われた植物160種を集めて造られた「万葉植物園」があります。この植物園は国分寺市の天然記念物に指定されており、訪れる人々に四季折々の自然の美しさを楽しませています。
武蔵国分寺およびその関連施設には、さまざまな文化財が存在しています。
武蔵国分寺の重要文化財には、平安時代末から鎌倉時代初期に作られた木造薬師如来坐像があります。こちらは大正3年に国の重要文化財に指定され、毎年10月10日のみ公開されます。また、武蔵多喜窪遺跡第一号住居跡から出土した土器類や石器類も昭和50年に重要文化財として指定されています。
武蔵国分寺跡資料館には、東京都指定有形文化財である銅造観世音菩薩立像や、武蔵国分寺跡から出土した緑釉花文皿が保管されています。これらの文化財は、武蔵国分寺の歴史的価値を示す貴重な遺産です。
武蔵国分寺の仁王門や薬師堂、楼門はすべて国分寺市指定の文化財に指定されています。また、万葉植物園や「こうやまき」といった天然記念物も存在し、これらの文化財と共に保存されています。
武蔵国分寺は、東京都国分寺市西元町1-13-16に位置しています。周辺には、創建当時の国分寺跡である「武蔵国分寺跡」や「武蔵国分尼寺跡」もあります。
武蔵国分寺へのアクセスは、JR中央線快速や武蔵野線の「西国分寺駅」から徒歩15分、またはJR中央線快速および西武鉄道国分寺線・多摩湖線の「国分寺駅」から徒歩18分となっています。
武蔵国分寺は、その歴史と文化財、そして美しい自然に囲まれた魅力的な場所であり、訪れる人々に深い歴史と自然の調和を感じさせます。ぜひ、時間をかけてこの場所を散策し、その魅力を堪能してください。