小金井公園は、東京都小金井市を中心に、小平市、西東京市、武蔵野市にも一部が広がる東京都立の都市公園(広域公園)です。正式名称は「東京都立小金井公園」(とうきょうとりつこがねいこうえん)といいます。
小金井公園の面積は約80ヘクタールに及び、都立公園の中でも最大規模を誇ります。その広さは日比谷公園の4.8倍、上野公園の1.4倍に相当し、まさに広大な敷地を持つ公園です。なお、東京都内にはさらに広い国営昭和記念公園があり、その面積は小金井公園の約2倍となっています。
公園は、西側に南北に走る小金井街道(東京都道15号府中清瀬線)と、南側に東西に延びる五日市街道(東京都道7号杉並あきる野線)に囲まれています。また、五日市街道に沿って玉川上水が流れ、公園の北側には隣接してゴルフ場の小金井カントリー倶楽部が広がっています。
小金井公園の起源は、紀元2600年記念事業として計画された「小金井大緑地」に遡ります。1940年(昭和15年)に計画が開始され、翌1941年12月までに用地約90ヘクタールが取得されました。そして、1954年(昭和29年)1月に「小金井公園」として正式に開園しました。この公園の基本テーマは「花と緑のひろびろ空間」であり、園内には雑木林と広大な芝生が広がっています。
また、1,800本の桜が植えられた花見の名所としても人気があり、毎年多くの観光客が訪れる日本さくら名所100選にも選定されています。さらに、正月時期には凧揚げの名所ともなり、週末には「いこいの広場」でフリーマーケットが定期的に開催されています。
小金井公園は、桜の名所としても有名です。その歴史は1737年(元文2年)、幕府によって玉川上水堤にヤマザクラが植樹されたことに始まります。奈良県吉野山や茨城県桜川から取り寄せられた苗木が使われ、明治時代には三好学の調査により、日本古来の桜であるヤマザクラの貴重な領域として「小金井桜」として名勝に指定されました。
しかし、戦後の交通量増加に伴い、1950年代に五日市街道が拡幅整備された結果、桜並木は衰退し、かつての「桜の名所」としての面影は薄れてしまいました。それでも、小金井公園が整備されて以来、再び桜の名所として新たな人気を集めています。1988年(昭和63年)には林弥栄によって新品種「小金井薄紅桜」が発見されるなど、桜の伝統は今も受け継がれています。
小金井公園には、保存車両のSL展示場があり、国鉄C57形蒸気機関車186号機と国鉄スハフ32形客車2146号が連結された状態で静態保存されています。かつては常時柵のゲートが開けられていましたが、部品の盗難が相次いだため、現在では公開日が限定されています(3月から11月の土日、祝日、都民の日、10:00~16:00)。
小金井公園内には、歴史的建築物を移築保存する野外博物館「江戸東京たてもの園」があり、27棟の建築物が展示されています。日本の伝統的な建築様式や歴史的建造物を学ぶことができる貴重な施設です。
小金井公園へのアクセスは、公共交通機関と自家用車の両方が利用可能です。
小金井公園には、南側と東側に広い有料駐車場があります。ただし、例年桜のシーズンには駐車場が満車となり、周辺道路も大渋滞することがあるため、公共交通機関の利用が推奨されます。
小金井公園内には、わんぱく広場やふわふわドーム、ローラスケート練習場など、子供たちが楽しめる施設も充実しています。また、バーベキュー広場やドッグランもあり、家族やペット連れの訪問者にも最適です。