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立川 諏訪神社

(たちかわ すわ じんじゃ)

諏訪神社は東京都立川市柴崎町にある神社で、地名を冠して立川諏訪神社とも称されます。獅子舞と相撲の名社として知られています。

概要

諏訪神社の境内には本殿に並んで合祀社の八幡神社と末社の稲荷神社が祀られています。

歴史

創建

諏訪神社の由緒書によれば、811年(弘仁2年)7月27日に信濃国から諏訪大神を、現在の立川市柴崎町にある諏訪の森公園に勧進鎮祭したのが創建とされています。諏訪の森公園に建つ「旧宮址」の石碑には、「弘仁弐年六月弐十七日 勧請信州諏訪大神」と刻まれています。

天正14年の武蔵野野火

1586年(天正14年)11月9日、武蔵野で野火が発生し、社殿・宝物・旧記・神主の系図などが焼失しました。

江戸時代以降の歴史

祭神

建御名方神(たけみかたのかみ):この神は大国主神(おおくにぬしのかみ)の2番目の子で、昔から軍神と農耕の神として祭られています。

その他の祭神

境内の施設

神楽殿

1929年(昭和4年)に神楽殿の新築工事が完成しましたが、1966年(昭和41年)の台風により倒壊し、1968年(昭和43年)に新神楽殿が完成しました。

社務所

1909年(明治42年)に初めて社務所が設置されました。

境内末社

その他の施設

文化財

諏訪神社獅子頭及び太鼓胴

1963年(昭和38年)6月22日に立川市の文化財に指定されました。元禄ごろに制作された雄獅子1、雌獅子1、太鼓胴3が残っています。柴崎町、富士見町などで伝承されてきた獅子舞で使用されていたものです。

諏訪神社の獅子舞

立川市の無形民俗文化財に指定されています。演目は「十二狂い」と言われる12種類の舞があり、唄が伴い、棒使いが「ヤアットォ」と声をかけます。獅子を舞うのは牡獅子二人、牝獅子一人、天狗一人で、囃し方として法螺貝一人、笛数人、唄方数人が参加します。祭礼に向けては地区内の家が当番で宿を務め、接待を行う伝統がありましたが、現在は公民館のような共同施設が使用されています。獅子舞は「立川市獅子舞芸能保存会」により保存・継承されており、小学生から80歳代までのメンバーが参加しています。獅子舞に興味を持ち、継承する若手を増やすため、地元の小中学校で獅子舞の授業が行われています。

創建と立川氏との関わり

八幡神社(はちまんじんじゃ)は、1252年(建長4年)8月15日に創建され、当時の立川市で勢力を誇った立川氏の氏神として守護されてきました。もともとは東京都立川市柴崎町1-7-17に位置していましたが、1907年(明治40年)7月に諏訪神社に合祀されました。

火災と再建の歴史

八幡神社は、1586年(天正14年)の野火で社殿を失い、諏訪神社に先立って再建されました。しかし、その後1824年(文政7年)に再び火災に見舞われましたが、1841年(天保12年)に再び造営されました。また、1994年(平成6年)10月26日には不審火により再び焼失しましたが、諏訪神社とともに再建されました。

八幡神社の現在と保存

八幡神社の本地仏像は、戦国時代の立川氏に関する貴重な資料として諏訪神社内で保管されています。また、かつての八幡神社の跡地には「八幡神社大欅」が立っており、立川市内最大級の樹木として市の天然記念物に指定されています。2000年の観測では、この大欅は樹齢300年以上、周囲6メートル、高さ9メートルと記録されています。

柴一八幡公会堂と獅子舞

八幡神社大欅の向かいには「柴一八幡公会堂」、通称「獅子宿」があり、ここでは毎年8月に行われる諏訪八幡両神社例大祭に向けた獅子舞の練習が行われています。この獅子舞は元禄時代から伝わるもので、祭礼当日には諏訪八幡両神社にて奉納される伝統的な舞です。

八幡神社本殿跡

かつての八幡神社本殿は柴崎町1-7-17にありました。この場所は、1252年(建長4年)の鎮祭から始まり、天正14年と文政7年の火災を経て、1841年(天保12年)に再建された歴史を持っています。1907年(明治40年)に諏訪神社境内へと移築され、その後は文化財として指定されました。

稲荷神社の概要

創建と歴史

稲荷神社は1819年(文政2年)6月に創建され、宇迦御魂神(うかのみたまのかみ)を主祭神としています。この神社も1994年(平成6年)の火災で焼失しましたが、2001年(平成13年)7月末に再建され、現在の形となっています。

稲荷神社の年中行事

稲荷神社では、年間を通じてさまざまな祭礼が行われています。以下はその主な行事です:

諏訪八幡両神社例大祭

特に8月に行われる諏訪八幡両神社例大祭は、戦前から続く伝統的な祭礼で、奉納相撲や獅子舞などが300年以上の歴史を持っています。境内には多くの露店が並び、地域の自治会や商店街も主催する「立川諏訪祭り」が同時に開催され、神輿や太鼓、山車、お囃子などが祭りを彩ります。

火災と再建

1994年の火災

1994年(平成6年)10月26日未明、諏訪神社と八幡神社は火災に見舞われ、本殿や事務所、結婚式場が焼失しました。火災報知器が鳴った際には、神社関係者は就寝中であり、消火が難しい状況でしたが、指定文化財の多くは無事に保護されました。

再建の取り組み

諏訪神社は、火災後すぐに再建を決定し、再建委員会を設立しました。立川市による指定文化財の調査と過去の建築調査報告書をもとに、株式会社臼井裕泰空間文化設計所が設計を担当し、清水建設株式会社が施工を行い、文化財として復元しました。再建された本殿は、三神並列の形式で祀られています。

諏訪通りとその歴史

諏訪通り商店街

諏訪神社への参道である「諏訪通り」は、現在は商店街として栄えています。この通りの名称がいつから使用されているかは不明ですが、過去には「役場通り」とも呼ばれていました。大正時代まで、立川村役場が諏訪神社の南に位置していたことが、その名称の由来と考えられています。

諏訪通りの歴史的な背景

明治末期に生まれた住民の記憶に基づく地図や資料によれば、諏訪通りは以前、諏訪神社の向かい側に「原市場」があったことが記録されています。このような歴史的な背景から、諏訪通りは立川市の発展に大きく貢献してきたことが伺えます。

諏訪神社に関する文化とメディアの影響

メディアでの登場

諏訪神社は、人気漫画『聖☆おにいさん』の舞台として知られており、主要キャラクターであるイエスとブッダが住む立川市の象徴的な場所となっています。これにより、諏訪神社は新たな観光名所として注目を浴びています。

Information

名称
立川 諏訪神社
(たちかわ すわ じんじゃ)

吉祥寺・立川

東京都