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国立天文台

(こくりつ てんもんだい)

国立天文台は、日本における天文学研究の中心的な機関であり、理論および観測の両面から天文学の発展に寄与しています。また、大学共同利用機関法人自然科学研究機構を構成する研究所の一つであり、日本全国および海外において、天文学の研究活動を展開しています。本部は東京都三鷹市に位置し、国内外に多くの観測所を持ち、総称して国立天文台と呼ばれています。

国立天文台の概要

国立天文台の正式名称は「大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台」であり、日本全国および海外にいくつかの観測所を持ち、国内外の研究者との共同利用を通じて研究を進めています。本部は東京都三鷹市の三鷹キャンパス内にあり、国内外の観測施設と連携しながら、天文学の最先端研究を行っています。

国立天文台の歴史

国立天文台の歴史は、近代日本における国立の天体観測所に遡ります。東京府麻布区飯倉(現:東京都港区麻布台)に設置された海軍水路寮の観象台がその始まりです。1888年(明治21年)、東京帝国大学(現在の東京大学)に星学科が設立され、その附属の研究所として麻布狸穴町に新たな観象台が設置され、帝国大学附属東京天文台となりました。しかし、東京の都市化により天体観測に適さなくなったため、1914年に三鷹へ移転が開始され、三鷹周辺への移住が進むこととなりました。

東京天文台はその後、名古屋大学空電研究所や文部省緯度観測所(現在の水沢VLBI観測所)と統合され、文部省直属の研究機関として国立天文台となりました。そして、行政改革により他の研究所と統合され、大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台として再編されました。

国立天文台の構成

国立天文台は、日本全国および海外に複数の観測施設を設置しており、観測業務、機器開発、装置運用などを実施しています。これにより、日本国内外の研究者が共同で利用できる大規模な観測装置の開発と運用を行い、天文学の発展に貢献しています。また、総合研究大学院大学の専攻研究科も構成しており、研究教育活動も積極的に行っています。

国立天文台の沿革

国立天文台は長い歴史を持ち、その発展には多くの重要な出来事が関わっています。1872年に海軍水路寮が東京府麻布区飯倉に観象台を設置したことから始まり、その後多くの変遷を経て現在の形に至っています。

例えば、1888年には東京天文台が設立され、1899年には岩手県水沢町に臨時緯度観測所が発足しました。1924年には東京天文台が三鷹に移転し、その後も観測所の設立や移転が続きました。近年では、1997年にハワイ島に日本初の海外研究施設であるハワイ観測所が開設され、2011年にはアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(アルマ望遠鏡)が科学観測を開始しました。

国立天文台の活動

活動の概説

国立天文台は日本の天文学研究における代表的な研究機関として、天文学および天体物理学に関連する広範な分野の研究と教育活動を行っています。大学共同利用機関として、大規模な観測装置の開発と運用を担い、国内外の研究者と連携しながら、共同利用を通じて多くの研究成果を上げています。また、国内外の観測施設を運用するだけでなく、飛翔体を利用した天文学・惑星科学の研究や、スーパーコンピュータを用いたシミュレーション天文学の推進、先進的な観測装置の開発研究も行っています。

国家事業

国立天文台は国家事業として、「暦象年表」や「暦要項」などの暦書編纂を担当し、日本の天文学研究と教育に重要な役割を果たしています。これにより、日本国内外の研究者や教育機関に対して、正確で信頼性の高い天文学的データを提供しています。

国立天文台は今後も、国内外の天文学研究における重要な役割を果たし続けることでしょう。その長い歴史と豊富な経験を基に、未来の天文学の発展に貢献し続けることが期待されています。

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名称
国立天文台
(こくりつ てんもんだい)

吉祥寺・立川

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