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川越道緑地 古民家園

川越道緑地 古民家園は、江戸時代末期の豪農の屋敷を移築・復元した施設です。園内には、市指定文化財の「小林家住宅」と「須﨑家内蔵」があり、これらを通じて当時の暮らしや建築技術を体感することができます。

小林家住宅

小林家住宅は、平成元年に立川市有形文化財として指定され、立川市へ寄贈されたことをきっかけに移築と復元が行われました。平成5年には、川越道緑地内の公園施設として公開され、一般の見学が可能となりました。

江戸時代の暮らしを感じる住宅

この住宅には「へっつい」(かまど)のある土間や、囲炉裏を備えた「おかって」(台所)があり、江戸時代の暮らしぶりを感じさせます。主屋は「六間型」と呼ばれる設計で、高い技術と優れた材料が使用されています。特に、北西に位置する「オクの間」は、床の間や違い棚、書院があり、武家住宅にも匹敵する格式を持っています。

小林家住宅の移築と復元

かつて幸町4-37にあったこの住宅は、平成元年に文化財に指定され、川越道緑地内に移築されました。復元作業は、できる限り元の材料を使い、創建当初の姿に戻す方針で行われました。解体調査中には、「嘉永五年」(1852年)と記された部材が発見され、建築年代が明らかになりました。

母屋の概要
小林家住宅復元の経過

須﨑家内蔵

須﨑家内蔵は、江戸時代末期から明治時代初期にかけて建てられたと推定される、木造3階建ての土蔵です。記録に基づく正確な建築年は不明ですが、和釘や陶製戸車などの建材から、時期を推定しています。かつては質蔵として使用され、砂川村の商業活動を象徴する建物です。

内部構造と特徴

須﨑家内蔵の小屋組には登梁が用いられ、内部には高価なケヤキ材がふんだんに使用されています。特に、箱階段の側面には引き出しがあり、帳面や貴重品の保管に利用されていました。また、復元に際して外蔵用に改修が行われています。

須﨑家内蔵の構造概要
須﨑家内蔵復元の経過

川越道緑地について

川越道緑地は、五日市街道の北に位置し、平成新道沿いにある自然豊かなエリアです。コナラ、クヌギ、ケヤキ、エゴなどが自生し、かつての武蔵野の面影を残す雑木林が広がっています。静かな田園風景の中で、季節ごとに変わる自然の息吹を感じながら散策が楽しめる場所です。

自然環境と歴史の調和

この地域は、武蔵野段丘と立川段丘の境界に位置しており、緩やかな傾斜地が広がっています。豊かな樹林帯の中には落葉が積み重なり、腐葉土となる自然の営みが見られます。農地と自然が調和するこの場所は、都市の喧騒を忘れさせる静けさに満ちています。

アクセス

電車でのアクセス
バスでのアクセス

JR立川駅北口から9番乗り場「幸町団地」行きバス(立川八小経由)に乗車し、「古民家園東」で下車。そこから徒歩1分です。

駐車場

駐車場は約6台分のスペースがありますが、大型車は進入できませんのでご注意ください。

Information

名称
川越道緑地 古民家園

吉祥寺・立川

東京都