歴史
江戸時代から続く歴史
肥後細川庭園のある一帯は、江戸時代の中頃まで幕臣の邸宅が存在していました。その後、数度の所有者の交代を経て、幕末には肥後熊本藩主・細川家の下屋敷となり、明治時代には細川家の本邸として利用されました。明治維新後、細川家は東京に移住し、この地は細川家の本邸として長く使用されました。
公園としての開園
1960年に東京都が当地を購入し、翌1961年には公園として開園しました。その後、1975年に文京区に移管され、現在に至っています。この公園は目白台から湧き出る豊富な湧水を活かし、回遊式泉水庭園として整備されました。江戸時代の大名屋敷の庭園を思わせる雰囲気を今も残しており、訪れる人々に安らぎと歴史を感じさせます。
主な施設
回遊式泉水庭園
肥後細川庭園の中心には、池を取り囲むように設計された回遊式泉水庭園があります。この庭園は、四季折々の自然の美しさを堪能できる場所であり、庭内を散策しながら、池や樹木、石橋などの景観を楽しむことができます。特に秋の紅葉や春の桜の季節には、多くの人々が訪れます。
松聲閣(しょうせいかく)
松聲閣は、明治時代に細川家の下屋敷跡に学問所として建設された木造2階建ての建物です。この建物は、大正時代に改修され、1959年に公園として開園した際には、集会施設として利用されていました。しかし、老朽化が進んだため、文京区が修復と耐震補強工事を行い、2016年1月に工事が完了しました。現在、松聲閣は文化的なイベントや展示会の会場として利用されています。
近隣施設
肥後細川庭園の周辺には、歴史的な施設や文化的なスポットが数多くあります。
- 椿山荘: 豪華なホテルと庭園を持つ施設で、結婚式やイベントに利用されています。
- 関口芭蕉庵: 松尾芭蕉が神田上水の改修工事に携わった際に住んでいた場所に建つ史跡です。
- 永青文庫: 細川家に伝わる美術品や書籍を展示する美術館です。
- 和敬塾: 大学の寄宿舎であり、国際交流の場としても利用されています。
- 蕉雨園: 旧田中光顕伯爵邸で、美しい庭園を有しています。
- 講談社野間記念館: 出版社・講談社の創業者野間清治を記念した施設です。
- 文京区立江戸川公園: 江戸時代の名残を感じさせる公園で、周辺住民に親しまれています。
アクセス
最寄り駅・交通手段
肥後細川庭園へのアクセスは、以下の通りです。
- 東京メトロ有楽町線: 江戸川橋駅から徒歩約15分。
- 都電荒川線: 早稲田停留場から徒歩約7分。
開園時間
肥後細川庭園は、以下の時間で開園しています。
- 通常期間: 午前9時から午後5時まで。
- 11月から1月: 午前9時から午後4時30分まで。
駐車場
肥後細川庭園には駐車場がありませんので、公共交通機関をご利用いただくか、近隣の有料駐車場をご利用ください。
入園料
肥後細川庭園の入園は無料です。四季折々の自然を楽しみながら、無料で歴史ある庭園を散策することができます。