目白庭園は、東京都豊島区目白に位置する豊島区立の公園で、静かな住宅街の中にある美しい回遊式日本庭園です。敷地面積は2,843平方メートルで、中央に池を配置し、その周囲を5分ほどで一周できる構造となっています。作庭は伊藤邦衛によって行われ、江戸時代以来の伝統的な日本庭園の様式を踏襲しています。
庭園は築地塀で敷地を囲まれており、入口は伝統的な長屋門のしつらえとなっています。周辺は閑静な住宅街に位置し、庭園内は都会の喧騒を忘れさせる静けさがあります。昼には弁当を持ち込んでピクニックを楽しむ来園者も多く、特に桜と紅葉の季節には訪れる人が増え、1日で500人ほどになることもあります。
目白庭園内には数寄屋建築の「赤鳥庵」や、池のほとりにある「六角浮き見堂」、そして小ぶりの滝などが配置されています。また、約500本の樹木が植えられており、四季折々の景観を楽しむことができます。
赤鳥庵は池の南側の石垣の上に建つ平屋建ての数寄屋建築で、童話作家・鈴木三重吉に由来する名前が付けられています。彼が発行した子供文芸誌『赤い鳥』にちなんでおり、現在の赤鳥庵の入口上部には彼の長男・珊吉が揮毫した『赤鳥庵』の額が掲げられています。赤鳥庵では、毎月第2・第4木曜日に「かるがも茶席」が開かれ、和室は茶道、華道、句会、碁会など多様な趣味の集まりや会合に利用されています。
六角浮き見堂は、池に浮かぶように配置された小さな六角形の建物で、池や周囲の風景を楽しむのに最適なスポットです。
庭園内には小ぶりな滝があり、水音が心地よく響きます。また、池の周りには小径があり、ゆっくりと散策しながら庭園の美しさを堪能できます。
目白庭園の池の中央には鳥小屋が設置されており、カルガモが暮らしています。特に5月には親子のカルガモが姿を見せ、訪れる人々の目を楽しませてくれます。カルガモたちは庭園のアイドルとして親しまれています。
目白庭園の敷地は、元々大野家という大地主の邸宅があった場所でした。1990年、当時の造園技術を駆使して庭園が作庭され、同年11月15日に一般公開されました。
目白庭園の所在地は東京都豊島区目白3-20-18で、目白駅から徒歩8分の場所にあります。
入園は無料ですが、「赤鳥庵」の利用は有料となっています。