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関口芭蕉庵

(せきぐち ばしょうあん)

関口芭蕉庵は、東京都文京区関口に位置する歴史的な史跡です。この場所は、かつて松尾芭蕉が神田上水の改修工事に携わった際に居住していたとされる住居跡に由来しています。現在、敷地内には芭蕉堂や庭園、池などが整備され、訪れる人々にその時代の風情を伝えています。

関口芭蕉庵の歴史

松尾芭蕉と「竜隠庵」

松尾芭蕉は、1677年(延宝5年)から1680年(延宝8年)の約4年間、江戸において神田上水の改修工事に従事していました。この期間、芭蕉は「竜隠庵」と呼ばれる水番屋に住んでいたとされています。これが後に「関口芭蕉庵」として知られるようになる場所の始まりです。

「芭蕉堂」の建立と「さみだれ塚」

1726年(享保11年)、松尾芭蕉の33回忌を迎えるにあたり、芭蕉やその弟子たちの像を祀った「芭蕉堂」が敷地内に建立されました。その後、1750年(寛延3年)には、芭蕉の供養のために芭蕉の真筆の短冊を埋めた「さみだれ塚」が建立されました。このようにして、「竜隠庵」は人々から「関口芭蕉庵」と呼ばれるようになっていきました。

史跡指定と復元

1926年(大正15年)、関口芭蕉庵は東京都(当時は東京府)の史跡に指定されました。さらに、芭蕉の二百八十回忌の際には園内に芭蕉の句碑が建立されました。関口芭蕉庵にある建物は、第二次世界大戦中の戦災により幾度も焼失しましたが、戦後に復元され、現在の姿となっています。

関口芭蕉庵の保存と維持管理

現在、関口芭蕉庵は講談社・光文社・キングレコードなどが中心となって設立された「関口芭蕉庵保存会」によって維持管理されています。池や庭園は、かつての風情を今に伝えるような造りとなっており、多くの訪問者がその静寂と美しさを楽しんでいます。

関口芭蕉庵の施設

芭蕉堂

芭蕉堂は松尾芭蕉とその弟子たちの像を祀るために建てられた建物です。敷地内の中心的な存在であり、芭蕉の俳句やその精神を感じることができる場所です。

庭園と池

関口芭蕉庵の敷地内には、美しい庭園と池が広がっており、訪れる人々に静かな癒しを提供しています。池には四季折々の景色が映り込み、その風景は訪れるたびに異なる表情を見せてくれます。

所在地・開園時間

所在地

東京都文京区関口2-11-3

開園時間

関口芭蕉庵の開園時間は、10時00分から16時30分までです。ただし、月曜日と火曜日、年末年始は休園となりますのでご注意ください。入園は無料で、敷地内にある歴史的な建物や庭園を自由に見学することができます。

正門と通用口

通常、正門は閉ざされており、入園する際は横の通用口から出入りする形となっています。

交通アクセス

関口芭蕉庵へのアクセスは、以下の交通手段が利用可能です。

周辺施設

関口芭蕉庵の周辺には、歴史的な価値のある施設や庭園が多く存在します。例えば、椿山荘、肥後細川庭園、永青文庫、和敬塾、蕉雨園、講談社野間記念館、江戸川公園などがあり、これらの施設も合わせて訪れることで、より充実した歴史探訪が楽しめます。

まとめ

関口芭蕉庵は、松尾芭蕉がかつて居住した地として、江戸時代の風情を今に伝える貴重な史跡です。その静かな庭園と歴史的な建物は、訪れる人々に日本の文化と歴史を感じさせる場所となっています。東京の喧騒を離れ、静寂に包まれたこの場所で、芭蕉の精神に触れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
関口芭蕉庵
(せきぐち ばしょうあん)

池袋

東京都