サンシャイン60は、東京都豊島区東池袋に位置するサンシャインシティの中心的な超高層ビルです。地上高239.7メートルで、完成当時はアジアで最も高いビルとして知られていました。現在も株式会社サンシャインシティが所有し、管理を行っています。
サンシャイン60が建つ土地は、1970年まで「巣鴨拘置所」があった場所です。戦時中にはゾルゲ事件の主犯リヒャルト・ゾルゲの死刑が執行され、太平洋戦争後にはGHQにより「巣鴨プリズン」として使用されました。東條英機などの主要な戦争犯罪者の死刑もこの地で執行されています。ビルのすぐ近くには、これらの歴史を記念する「平和祈念慰霊碑」が東池袋中央公園内に建てられています。
サンシャイン60の軒高は226.3メートル、塔屋最頂部は239.7メートルです。東京都庁第一本庁舎が1990年に竣工するまで12年間、日本で最も高いビルでした。また、韓国ソウルの汝矣島にある大韓生命63ビルが1985年に完成するまでは、東洋一の高さを誇っていました。
サンシャイン60の60階には展望台があり、地上高226.3メートル、海抜高269.8メートルと、都内の高層ビルの中でも特に高い位置にあります。東京スカイツリーの竣工以前は、東京タワーを含む全ての展望台を上回る地上高を誇っていました。2015年5月7日からリニューアル工事のため休館していましたが、2016年4月21日に「スカイサーカス サンシャイン60展望台」として再オープンしました。2022年10月2日には再度リニューアル工事のため閉館し、2023年4月18日に「サンシャイン60展望台 てんぼうパーク」として再オープンしました。
「スカイデッキ」は、土曜日、日曜日、祝日、ゴールデンウィーク、夏休み、クリスマス、年末年始に一般開放されていました。屋内展望台利用者は屋上展望も可能で、特に元日には初日の出を拝むために早朝5時30分から営業されていました。しかし、1998年と2012年に発生した飛び降り自殺事件を受け、リニューアルにより完全閉鎖されました。
サンシャイン60のエレベーターは、かつて世界一の速度を誇りました。最高速度は秒速10メートルで、1階から59階のスカイレストランまで36秒で移動します。展望台直通のエレベーターは「シャイニングエレベーター」と称され、内部は『スカイサーカス』をテーマに装飾されています。2010年には改修工事が行われ、展望台直通エレベーターやオフィスエレベーターが新規に入れ替えられました。
サンシャイン60には、非常用や地下専用など様々なエレベーターが設置されています。展望台直通のエレベーターは、通常2基が運行されており、初日の出特別営業時には追加のエレベーターが運行されます。また、オフィスフロア向けのバンクも1バンクから5バンクまであり、それぞれ異なる階を結んでいます。
サンシャイン60の主要な施設には、展望台の他に「スカイレストランフロア」(58階・59階)、オフィスフロア(9階〜58階)、緑丘会館(57階)などがあります。オフィスフロアには、株式会社日本ブレーン(56階)、日本気象協会(55階)、株式会社セゾンファンデックス(53階)、株式会社クレディセゾン(52階)など、多くの企業が入居しています。また、下層階にはサンシャインシティクリニックフロア(7階・8階)やオフィスロビー(1階)などがあります。
サンシャイン60は、複数の交通手段でアクセス可能です。JR山手線や埼京線、湘南新宿ライン、東武東上線、西武池袋線、東京メトロ丸ノ内線・有楽町線・副都心線が通る池袋駅から徒歩圏内にあり、さらに東京メトロ有楽町線の東池袋駅とは地下通路で直結しています。また、都電荒川線の東池袋四丁目停留場や向原停留場からもアクセス可能です。
サンシャイン60の高さは、日本国内外の他の著名なビルと比較しても目立つ存在です。例えば、室内展望台の高さは、あべのハルカス(300メートル)や横浜ランドマークタワー(273メートル)に次ぐ226.3メートルであり、屋上展望台の高さも256.3メートルと比較的高い位置にあります。
以上が、サンシャイン60の概要と特徴です。豊島区のシンボルとして、サンシャイン60は現在も多くの人々に親しまれています。