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文京区立 森鷗外 記念館

(ぶんきょう くりつ もり おうがい きねんかん)

文京区立森鷗外記念館は、東京都文京区に位置する文学館であり、日本の文学史において重要な位置を占める森鷗外の旧居跡地に建てられた記念博物館です。

概要

文京区立森鷗外記念館は、森鷗外の遺品や関連資料を収蔵・整理・展示することを目的として2012年に開館しました。「文字との出会いだけでなく、文学と人と街とが広く交流する場」を目指しており、鷗外の作品やその時代背景に関する展示が行われています。

収蔵資料

この記念館では、鷗外に関連する多岐にわたる資料が収蔵されています。原稿、書簡、遺品など、鷗外にまつわる約3,000点の遺品資料、鷗外の三男である類が所有していた約6,000点の旧蔵資料、そして鷗外の生前に発行された貴重書を含む約11,000点の図書資料が所蔵されています。これらの資料は、森鷗外の人生と業績を深く知るための貴重な財産となっています。

建物の構成

記念館の建物は、2階に図書室と講座室、1階に受付、ショップ、カフェ「モリキネ カフェ」、そして庭園が設けられています。地下には展示室と映像コーナーがあり、これらのスペースでは森鷗外に関連する展示や映像資料が閲覧できます。特に地下の展示室と収蔵庫は、恒温恒湿の環境が整備されており、災害時にも延焼や水損を避ける工夫が施されています。

建築設計

この建物は建築家・陶器二三雄(とうき ふみお)によって設計され、その優れた設計が評価されて、第55回BCS賞(2014年)、日本芸術院賞(2015年)、日本建築学会作品選奨(2015年)を受賞しました。陶器は、この建物について次のように述べています。

「鷗外が辿った深い思索の痕跡に出会う、語りかけるような“静かな凛とした”建築にしたいと思いました。」

沿革

森鷗外は1892年から1922年に亡くなるまで、この地で家族と共に暮らしていました。この住居は二階から品川沖が見えることから「観潮楼(かんちょうろう)」と名付けられ、鷗外の創作活動の拠点となっていました。鷗外の没後、この建物は借家となり、失火や戦災によって焼失しました。

1949年、国立博物館館長であった高橋誠一郎が「鷗外記念館準備会」を設立し、寄付を募りました。1950年、観潮楼跡は記念公園(児童遊園地)として整備され、東京都史跡に指定されました。1962年には、森鷗外生誕100周年を記念して、鷗外記念室を併設した文京区立鴎外記念本郷図書館が谷口吉郎の設計により竣工・開館しました。

その後、2006年に図書館は近隣地に移転し、記念室は「本郷図書館鷗外記念室」となりましたが、鷗外の遺品資料の保存環境を改善するために、2008年に建物の改築が決まりました。そして2012年、現在の文京区立森鷗外記念館が竣工・開館し、鷗外の功績を後世に伝える重要な文化施設としての役割を担っています。

アクセス

文京区立森鷗外記念館は、以下の交通手段でアクセスすることができます。

Information

名称
文京区立 森鷗外 記念館
(ぶんきょう くりつ もり おうがい きねんかん)

上野・御徒町

東京都