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竹久夢二美術館

(たけひさ ゆめじ びじゅつかん)

竹久夢二美術館は、東京都文京区弥生に位置する、竹久夢二の作品を中心に展示する私立美術館です。1990年11月に弁護士である鹿野琢見によって創設され、以来、多くの芸術愛好者や観光客に親しまれています。

美術館の設立と背景

竹久夢二美術館は、鹿野琢見氏が長年にわたり収集した竹久夢二の作品および関連資料を基に設立されました。所蔵品は約3300点にのぼり、その内容は夢二の幅広い活動を網羅しています。美術館は1階と2階の2つのフロアに分かれ、年4回の企画展を通じて、さまざまなテーマで展示が行われています。

展示と企画展

美術館では、竹久夢二の日本画、水彩画、版画、装幀本など、彼の多彩な作品が展示されています。また、企画展は年4回開催され、季節や特定のテーマに応じた特別展示が行われます。これにより、訪れるたびに異なる作品や新たな発見を楽しむことができます。

新発見作品の展示

竹久夢二に関連する新たな作品や手紙が発見された場合、その真贋や経緯の確認が行われ、美術館にて早急に公開されることがあります。これにより、来館者は常に最新の情報とともに、竹久夢二の魅力を再発見する機会を得ることができます。

竹久夢二の代表的な収蔵作品

竹久夢二美術館には、多くの代表的な作品が所蔵されています。以下に、主な収蔵作品を紹介します。

日本画・水彩画

竹久夢二の代表作として、「松竹梅」(1921年頃)や「この夜ごろ」(昭和初期)、「夏姿」(1915年頃)などが挙げられます。これらの作品は、彼の繊細な感性と独特の美的感覚を表現しており、見る者の心を惹きつけます。

その他にも、「夢香洲夏夕幻影」(1914年)や「置炬燵」(1921年)、「水竹居」(1933年)などの作品が展示されており、竹久夢二の多様な表現方法を堪能することができます。

表紙・図案等原画

竹久夢二は、多くの表紙デザインや図案の原画も手がけました。例えば、『若草』の1931年新年号の表紙や、千疋屋のカットなどがあります。これらのデザインは、当時の大正モダンを象徴するものとして高く評価されています。

その他の収蔵品

美術館には、日本画や水彩画の他にも、鉛筆スケッチやデッサン、肉筆書簡、版画、千代紙、封筒、絵はがきなどが所蔵されています。また、竹久夢二が装幀を手がけた書籍や、セノオ楽譜、表紙デザイン雑誌なども展示されており、彼の多岐にわたる活動を深く知ることができます。

竹久夢二の生涯と作品

竹久夢二(たけひさ ゆめじ、1884年9月16日 - 1934年9月1日)は、日本の画家・詩人で、本名は竹久茂次郎です。彼は数多くの美人画を残し、その抒情的な作品は「夢二式美人」と呼ばれ、大正ロマンを代表する画家として知られています。また、詩や歌謡、童話の創作など文筆の分野でも活躍し、その多才ぶりを発揮しました。

芸術的な影響と評価

夢二は、生涯を通じて多様な表現形式を試みましたが、その作品は特に「夢二式美人画」として知られる独特の美意識に基づいています。彼の作品は、和洋を問わず様々な技法で描かれ、当時の大衆文化と深く結びついていました。21世紀に入ってもその作品は多くの美術館で展示され続け、多くのファンを魅了し続けています。

美術館へのアクセス

竹久夢二美術館は、東京都文京区弥生に位置しており、以下の交通手段でアクセスすることができます。

地下鉄でのアクセス

最寄り駅は、地下鉄千代田線の根津駅または地下鉄南北線の東大前駅です。どちらの駅からも徒歩7分ほどで美術館に到着します。公共交通機関を利用して気軽に訪れることができます。

JRでのアクセス

JR東日本の上野駅からは徒歩20分程度です。上野駅からは少し距離がありますが、途中で上野恩賜公園などの観光スポットを楽しみながら歩くこともでき、散策を兼ねた訪問にも最適です。

最後に

竹久夢二美術館は、竹久夢二の多彩な才能を感じられる場所です。彼の作品に触れることで、大正時代の美的感覚や文化に対する理解を深めることができるでしょう。また、同じ敷地内に隣接する弥生美術館と合わせて訪れることで、より充実した美術鑑賞のひとときを過ごせます。

Information

名称
竹久夢二美術館
(たけひさ ゆめじ びじゅつかん)

上野・御徒町

東京都