歴史
徳大寺の創建年代ははっきりしていませんが、伝承によると江戸時代前期の承応2年(1653年)に示寂した日遣によって開山されたとされています。京都の本法寺の日達が、下総国中山(現在の千葉県市川市)にある法華経寺に向かう途中、聖徳太子作と伝えられる摩利支天像を感得しました。この像は宝永5年(1708年)に徳大寺に安置され、それ以来、江戸における流行仏のひとつとして庶民の信仰を集めるようになりました。
下谷摩利支天の姿と信仰
徳大寺に祀られている摩利支天像は、左手をかかげ、右手に剣を持ち、走るイノシシの上に立つ姿をしています。摩利支天は、元々厄を除き運を開く勝利の守護神とされており、特に武士や芸道者からの信仰が厚かったです。この神像は、関東大震災や東京大空襲といった災厄の中でも焼失を免れたことから、現在に至るまで厄を祓う守護神として広く信仰されています。
戦前の徳大寺
摩利支天の信仰が厚いことから、徳大寺は戦前において武士の誉れ高い神を祀る寺として、半ば神社のような寺風を持っていました。この特徴は他の寺院にはあまり見られず、徳大寺が特別な存在であったことを示しています。
アクセス
徳大寺は、都心に位置し、アクセスが非常に便利です。JR山手線の御徒町駅から徒歩2分で訪れることができるほか、以下の駅からも徒歩圏内です。
- 都営地下鉄大江戸線 上野御徒町駅
- 東京メトロ銀座線 上野広小路駅
- 東京メトロ日比谷線 仲御徒町駅