博物館の概要
印刷博物館は、東京都文京区水道にあるTOPPAN小石川本社ビル内に位置しています。館内には、印刷に関連する資料を展示するミュージアムショップや、印刷関連図書を専門に扱うライブラリー、さらに展示物を紹介するP&Pギャラリーが併設されています。また、研修室(グーテンベルク・ルーム)やVRシアターもあり、特に土日・祝日にはVRシアターでの上映が行われています。
2002年には、日本展示学会(会長:端信行)から学会賞の作品賞を受賞し、その高い展示内容が評価されています。
所蔵品の紹介
印刷博物館には、以下のような貴重な所蔵品があります:
- 駿河版銅活字(重要文化財)
- 解体新書
- 本木昌造・活字復元プロジェクト成果物
これらの所蔵品は、印刷技術の発展や日本における印刷文化の歴史を理解する上で非常に重要な資料です。
企画展の歴史
印刷博物館では、これまでに多くの企画展が開催されてきました。例えば、2000年の開館時には「江戸時代の印刷文化 家康は活字人間だった!!」という展示が行われ、その後も「ヴァチカン教皇庁図書館展 書物の誕生—写本から印刷へ」や「印刷革命がはじまった:グーテンベルクからプランタンへ」など、印刷文化の多様な側面を紹介する展示が続けられています。
特に注目すべきは、「1960年代グラフィズム」や「デザイナー誕生:1950年代 日本のグラフィック」などの展示で、これらはグラフィックデザインの歴史を深く掘り下げたものでした。また、「天文学と印刷 新たな世界像を求めて」や「和書ルネサンス 江戸・明治初期の本にみる伝統と革新」など、他分野との関連を探る展示も行われています。
利用情報
印刷博物館の開館時間は10時から18時までで、月曜日が休館日となっています(ただし、祝日の場合は翌日が休館日となります)。入場料は、一般400円、学生200円、高校生100円で、中学生以下および70歳以上の方は無料となっています。また、団体割引もあります。
併設されているライブラリーでは、印刷機械や技術に限らず、印刷の歴史や社会的背景、表現など、印刷文化に関連するさまざまな書籍が取り扱われています。なお、99%の図書が閉架扱いとなっているため、利用の際には事前の検索が必要です。
アクセス情報
印刷博物館へのアクセスは、以下の通りです:
- 東京メトロ有楽町線「江戸川橋駅」から徒歩8分
- JR総武線・東京メトロ東西線「飯田橋駅」から徒歩13分
- 東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」から徒歩10分
- 都営バス上69・飯64系統「東五軒町」または「大曲」バス停から徒歩3分
- 文京区コミュニティバスBーぐる「トッパンホール・印刷博物館」バス停から徒歩4分
まとめ
印刷博物館は、印刷文化の豊かな歴史と技術を学べる貴重な場所であり、過去から現在に至るまでの印刷の発展を体感することができます。豊富な所蔵品や多彩な企画展を通じて、訪れる人々に新たな視点と知識を提供しています。印刷に興味を持つ方はもちろん、文化や歴史に関心がある方にとっても、訪れる価値のある博物館です。