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一之江名主屋敷

(いちのえ なぬし やしき)

一之江名主屋敷は、東京都江戸川区春江町にある歴史的建造物です。東京都指定史跡であり、江戸川区登録史跡にも指定されています。

概要

一之江名主屋敷は、江戸時代に当地に移り住んだ田島家の旧居で、田島図書(ずしょ)英丈を祖としています。田島家は、かつて「一之江新田」と呼ばれていた当地の開拓において主導的な役割を果たしました。

田島家の歴史

田島図書は、もともと堀田姓を名乗っていた武士の家系で、関ヶ原の戦いに参戦後、関東地方へ移り住みました。その後、田島姓に改姓し、当地の開拓に携わることとなります。江戸時代には、田島家が代々当地の名主を務めていました。

主屋とその建築様式

現存する主屋は安永年間(1770年代)頃の建立とされており、当時の建築様式が良好に保存されています。主屋は寄棟造、茅葺、平屋建ての構造で、東京23区内でも貴重な建造物の一つです。また、屋敷地には屋敷林や庭園などが備わり、江戸時代の農家の屋敷構えを今に伝えています。

整備と修復の歴史

1954年11月に東京都指定史跡となり、1981年1月には江戸川区登録史跡としても指定されました。その後、建物の老朽化が進行したため、1989年から1993年にかけて復元修理が行われ、一般公開が始まりました。1999年には庭園や屋敷林の整備が行われ、2006年には屋根の茅葺の葺き替えが実施されました。2011年からは江戸川区の所有となり、保存管理が進められています。

施設の概要

主屋

一之江名主屋敷の中心となる建物で、安永年間に建立された江戸時代の風情を残す寄棟造、茅葺、平屋建ての構造です。

屋敷林と屋敷畑

かつての農家の生活を感じさせる広大な敷地には、屋敷林や屋敷畑があり、訪れる人々に江戸時代の農村生活の雰囲気を伝えています。

屋敷の中には、当時の農具や生活用品を保管するための蔵が設けられています。

庭園

屋敷の一部には、美しい日本庭園が広がり、季節ごとの花々が楽しめます。

長屋門

屋敷の入口に位置する門で、江戸時代の風情を感じさせる造りとなっています。

屋敷神(稲荷神社)

屋敷内には屋敷神として稲荷神社が祀られており、住民の信仰の中心として親しまれています。

所在地

住所:東京都江戸川区春江町2-21-20

関連項目

城立寺(じょうりゅうじ)

一之江名主屋敷の近隣にある日蓮宗の寺院で、田島図書が開基した寺として田島家の菩提寺になっています。「椿寺」とも呼ばれています。

アクセスと見学情報

一之江名主屋敷は、東京都江戸川区に位置し、公共交通機関を利用して訪れることが可能です。詳細なアクセス情報については、江戸川区の公式サイトや観光案内所でご確認ください。

Information

名称
一之江名主屋敷
(いちのえ なぬし やしき)

亀戸・葛西・門前仲町

東京都