東京都 » 東京都内(23区) » 亀戸・葛西・門前仲町

東京都 現代美術館

(とうきょうと げんだい びじゅつかん)

東京都現代美術館は、東京都江東区三好四丁目に位置する現代美術専門の公立美術館です。指定管理者制度により、東京都歴史文化財団グループ(公益財団法人東京都歴史文化財団、鹿島建物総合管理株式会社、アサヒビール株式会社の共同事業体)が管理・運営しています。2016年から2019年にかけて大規模な改修工事が行われ、リニューアルオープンしました。

概要

東京都現代美術館は1995年(平成7年)3月に開館し、東京都立木場公園の北辺に位置しています。開館当初から現代美術の紹介と国際的な視野での企画の実現を目指しており、東京都美術館(台東区上野公園)が収集してきた現代美術コレクションを中心に、日本の戦後美術を概観できるコレクションを有しています。

施設の特徴

延床面積は33,515 m²と日本最大級の美術館建築で、広いスペースを持つ常設展示室は1階と3階に計10室あります。1階では第二次世界大戦後から1970年代までの美術の流れを紹介し、3階では現存作家の作品を中心に現代美術の多様な傾向を展示しています。また、企画展示室には現代美術作品の展示に適した広大な吹き抜け空間が用意されています。

建築とデザイン

美術館の設計は柳澤孝彦+TAK建築・都市計画研究所が手掛け、CIデザインは仲條正義が担当しました。建物は鉄骨鉄筋コンクリート構造で、地上3階・地下3階の構造を持ちます。

主な収蔵作品

東京都現代美術館には、アンディ・ウォーホルの『マリリン・モンロー』やロイ・リキテンスタインの『ヘア・リボンの少女』など、著名な現代美術作品が収蔵されています。また、上田薫の『なま玉子 B』や吉岡徳仁の『Honey-pop』など、日本の現代美術作品も豊富に取り揃えています。

交通アクセス

美術館へのアクセスは、東京メトロ東西線木場駅および都営地下鉄新宿線菊川駅から徒歩15分、都営地下鉄大江戸線と東京メトロ半蔵門線の清澄白河駅から徒歩13分です。また、都営バスの「東京都現代美術館前」停留所からもアクセス可能です。2000年以降は東京駅からの直行バスも運行されており、アクセスが改善されました。

歴史

設立と開館

東京都現代美術館の設立は、1926年に東京府美術館が開館したことに始まり、1985年には東京都新美術館建設構想懇談会が設立されました。その後、1989年に木場公園での美術館建設が決定し、1995年3月に正式に開館しました。

著名な展示

開館以降、多くの著名な展示が行われ、1996年にはアンディ・ウォーホル展、1997年にはポンピドー・コレクション展など、国際的な企画展が実現されました。2000年にはミレニアム国際美術展が開催され、広く注目を集めました。

問題と批判

美術館はその歴史の中でいくつかの問題も抱えてきました。開館前にロイ・リキテンスタインの『ヘア・リボンの少女』を高額で購入したことが批判を受けた他、財政問題や収蔵品の購入凍結などもありました。さらに、2006年には当時の石原慎太郎都知事の発言が国際的な批判を呼ぶなど、様々な課題に直面してきました。

財政問題

総工費415億円のうち、軟弱地盤対策で105億円が費やされるなど、予算の多くが建設に費やされました。開館当初の意欲的な展示に対し、次第に集客力が低下し赤字経営が問題となりました。その結果、収蔵品の購入も一時的に停止されるなど、美術館の運営は厳しい状況に立たされました。

現在の運営と今後の展望

現在、美術館は東京都歴史文化財団によって運営されています。運営面での課題も多い中、若手作家の作品を中心に収蔵活動が再開されるなど、新たな展望も見え始めています。今後も現代美術の発展と普及を目指し、魅力ある展示や収蔵活動の充実が期待されています。

Information

名称
東京都 現代美術館
(とうきょうと げんだい びじゅつかん)

亀戸・葛西・門前仲町

東京都