横十間川親水公園は、「区民の水辺」をテーマに整備された、東京都江東区に位置する江東区立の親水公園です。この公園は、江東区内を流れる横十間川の大部分を埋め立てて造られており、全長約1970メートルに及ぶ大規模な親水公園となっています。
広い水面を活かした貸しボート場や水上アスレチック、野鳥の島、花菖蒲園や田んぼなどがあり、「生物の楽園」として幅広い世代が楽しめます。
横十間川の周辺地域は、かつては近隣の工場からの地下水汲み上げによる地盤沈下が激しく、「ゼロメートル地帯」として知られていました。特に、木場公園から東部の江東内部河川では、台風などの際に川の水が護岸壁を越えて溢れる危険がありました。これを防ぐため、木場公園から東部の江東内部河川では扇橋閘門などを設置し、水位を調整する対策が取られました。
横十間川親水公園は、この水位調整によって水位が下がった横十間川を埋め立てて整備されたものです。1984年4月1日に開園式が行われ、4月19日から一般に公開されました。既存の川を生かしながら、身近に自然を感じることができる親水公園として生まれ変わり、総延長は約1970メートル、面積は約50,583平方メートルに及んでいます。
西側の大横川合流地点から北側の小名木川合流地点までの広範囲にわたるこの公園は、横十間川としての役割を果たし続けています。地理的には、北砂、扇橋、海辺、千石、南砂、東陽の各エリア(すべて江東区内)にまたがり、途中で同じく河川を埋め立てて作られた仙台堀川公園と合流しています。
水の上を渡る「ぐらぐら橋」や、円盤の「UFOクライム」など、多彩な遊具が揃っています。水深は約25cmなので、安全に楽しめます。夏には水着姿の子どもたちが遊ぶ姿も多く見られます。ロープを使って水上を進む「ウキウキ渡し」や「GOGOロープ」が特に人気です。
横十間川親水公園では、伝統的な和船乗船体験が提供されています。江東区は現在7艘の和船を所有しており、そのうち6艘がこの公園で使用されています。「和船友の会」の操船により、無料で一般の人々が乗船でき、希望者には櫓漕ぎ体験も行えます。乗船体験の所要時間は約20分で、操船日は水曜日と日曜日が中心ですが、事前の確認が必要です。なお、乗船者にはライフジャケットの着用が義務付けられています。
横十間川親水公園は総延長が約1970メートルにも及ぶ細長い公園であるため、アクセス方法は多岐にわたります。最寄り駅としては、都営新宿線「住吉駅」および地下鉄東西線「東陽町駅」があり、どちらも徒歩約10分でアクセス可能です。また、総武線「錦糸町駅」から都営バスを利用する方法もあります。なお、公園内には駐車場はありません。
公園は常時開園しており、入園は無料です。