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東京グローブ座

(The Globe Tokyo)

日本の東京都新宿区にある劇場「東京グローブ座」は、東京都新宿区百人町に位置する文化施設です。

概要

「東京グローブ座」と隣接する高層マンション「西戸山タワーホームズ」は、1980年代に当時の中曽根康弘首相が提唱した「民間活力導入による国有財産の有効活用」という政策のもと誕生しました。

再開発の背景

当時、新宿区百人町三丁目には「新宿住宅」と「西戸山住宅」という二つの公務員宿舎が存在していました。この再開発計画では、西戸山住宅を高層化して一本化し、新宿住宅の敷地を国から民間に売却して再開発することが目指されました。

1983年(昭和58年)12月、三菱地所など56社のデベロッパーが均等出資して設立された「新宿西戸山開発」がこのプロジェクトを担当しました。設計管理は、三菱地所を中心とした8社で構成される「西戸山設計管理共同体」が行い、環境デザインは磯崎新・泉真也に委託されました。

再開発の進行と住民への影響

1984年(昭和59年)には、西戸山住宅の住民が都内各所の他の公務員宿舎へ転出を余儀なくされ、立ち退きが始まりました。再開発計画について住民に直接通知されることはなく、マスコミの報道を通じて初めて事態を知ることとなりました。

その後、1986年(昭和61年)1月に国と新宿西戸山開発との間で国有財産売買契約が締結され、同年2月から5月にかけて敷地内の既存建物が解体されました。そして、新しい建物群である「西戸山タワーホームズ」と「東京グローブ座」が建設され、1988年(昭和63年)3月に竣工しました。

施設の特徴

完成した施設は、高層部分と低層部分に分かれており、25階建て3棟の集合住宅「西戸山タワーホームズ」と、ポストモダンを基調としたカルチャー施設「東京グローブ座」が設けられました。東京グローブ座は、17世紀初頭のロンドンに存在した「第二グローブ座」をモデルにした多目的ホールで、磯崎新アトリエが基本的なスケッチを描き、西戸山設計管理共同体が設計を担当しました。

この劇場は、約700人収容可能であり、二階席と三階席が舞台を囲むように配置されています。また、舞台は一階客席に向かって張り出しており、迫力ある演劇体験を提供します。

旧ジャニーズ事務所傘下への移行

開場以来、シェイクスピア作品の上演を中心にしてきた東京グローブ座ですが、2002年7月末には累積赤字により一時休館に追い込まれました。その後、同年10月に旧ジャニーズ・グループが東京グローブ座を取得し、管理・運営を開始しました。これにより、ジャニーズ所属の俳優・タレント主演のミュージカル公演を中心とした運営方針へと転換しました。

西戸山タワーホームズの特徴

西戸山タワーホームズは、住戸をコの字型に配置し、全周バルコニー形式を採用するなど、居住者の安全性や利便性に配慮した設計が施されています。各住戸は容易に間仕切りの変更が可能であり、都心における永住型住宅として設計されています。

また、中庭側の開放型廊下により二方向への避難が可能となっており、2棟のアネックスにはワンルーム型住宅付属室が設けられています。全敷地の約7割が公開空地として利用されており、約1万本の植栽が施されるなど、都市における自然環境にも配慮した設計がなされています。

沿革

1988年(昭和63年)

3月に施設が竣工し、4月8日に「東京グローブ座」が開場しました。この劇場はシェイクスピア作品の上演を主に、海外の劇団を招いて公演を行うことを目的としていました。同年夏には、オックスフォード演劇団の来日公演が行われ、当時皇太子であった今上天皇が来場して観劇されました。

2002年(平成14年)

7月末には累積赤字により一時休館を余儀なくされましたが、同年10月に旧ジャニーズ事務所が東京グローブ座を買収しました。その後、10月18日からは嵐の主演映画『ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』が公開され、東京グローブ座は新たなスタートを切りました。

2004年(平成16年)

改装工事を経て、1月15日には改装記念公演『ロミオとジュリエット』が上演され、東山紀之が主演を務めました。

2018年(平成30年)

12月9日には第71回全日本フェンシング選手権大会の決勝戦が東京グローブ座で開催されました。この大会では、サーブル、エペ、フルーレの男女個人種目の決勝戦が行われ、注目を集めました。

Information

名称
東京グローブ座
(The Globe Tokyo)

新宿

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