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東京理科大学 近代科学資料館

(とうきょうりか だいがく きんだい かがく しりょうかん)

東京理科大学近代科学資料館は、東京理科大学が運営する博物館であり、1991年(平成3年)11月、東京理科大学の創立110周年を記念して開設されました。建物の外観は、1906年(明治39年)に神楽坂に建てられた前身の東京物理学校の木造2階建て校舎を忠実に復元したものです。

東京理科大学と資料館の成り立ち

寄贈による建設と副称の由来

この建物の建設費用は、東京物理学校理化学部を1941年(昭和16年)12月に卒業した二村冨久氏(二村化学工業創業者)からの多大な寄贈(13億5千万円)によって賄われました。この功績を称え、資料館には「二村記念館」という副称が付けられ、1階のエントランスホールには氏の銅像が設置されています。

新たな施設の追加

2013年(平成25年)10月には、地下1階に数学体験館が開設され、さらに2022年(令和4年)10月には、ノーベル生理学・医学賞受賞者である大村智博士の業績を紹介する大村智記念展示室が2階に設けられました。

展示内容の特徴

多彩な資料とその移設

資料館では、東京物理学校から引き継がれた貴重な資料や、各方面から寄贈された科学資料が数多く展示されています。その一部は、東京理科大学野田キャンパスにある「なるほど科学体験館」にも移されており、各キャンパスを通じて科学教育の魅力を広げています。

計算機の歴史に焦点を当てた展示

展示の中心は「計算機の歴史」に関するコーナーで、江戸時代の和算書をはじめ、算木、そろばん、機械式計算機、電気式計算器、そして電子式卓上計算機(電卓)へと進化してきた歴史を実物の資料とともにたどることができます。

世界の算具と計算機の発展

中国の算木やインディアンの算具、各種そろばん、計算尺、タイガー計算器といった代表的な機械式計算機、さらに日本の初期コンピュータである「FACOM 201」など、世界の算具と日本独自の発展を体感できる内容となっています。

黎明期のパソコン展示

昭和後期に普及したパーソナルコンピュータの黎明期を代表する「アップルII」「PC-8001」「ベーシックマスター」なども展示されており、電子計算機の進化を視覚的に学ぶことができます。

東京物理学校に関する展示

物理学校記念コーナー」では、東京物理学校ゆかりの記念品を展示しています。特に、卒業生で後に講師となった菱田為吉による65種もの多面体模型は、彫刻的な美しさと明治期の数学研究の水準を兼ね備えた貴重な資料として来館者の関心を集めています。

エジソンの功績を伝える展示

エジソンコーナー」では、明治期の炭素電球や蓄音機などが展示されており、一部の展示物は低電圧での発光も体験できるようになっています。これにより、過去の技術がどのように現代へとつながっているかを体感することができます。

体験型展示コーナー

体験コーナー」では、来館者が実際にタイガー計算器を操作したり、再生式の高一ラジオや蓄音機を試聴することができます。これにより、単なる展示にとどまらず、実際に「触れて学ぶ」体験が可能です。

開館情報とアクセス

利用案内

入館料は無料で、誰でも気軽に訪れることができます。

開館時間は以下の通りです:

休館日は日・月・火・祝日、ならびに大学の休業日です。

アクセス方法

まとめ

東京理科大学近代科学資料館は、科学技術の歴史を学べるだけでなく、貴重な体験もできる教育的価値の高い施設です。東京の中心・神楽坂という情緒ある街に位置し、科学と文化を融合させた空間として、訪れる人々に新たな発見と感動を提供しています。

Information

名称
東京理科大学 近代科学資料館
(とうきょうりか だいがく きんだい かがく しりょうかん)

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