国立能楽堂は、東京都渋谷区千駄ヶ谷に位置する、能楽専門の公演場です。この施設は、独立行政法人日本芸術文化振興会の国立能楽堂部が運営しており、能や狂言の主催公演をはじめ、能楽の公演を行うための劇場として広く貸し出されています。
国立能楽堂は、東京都渋谷区にある能楽専門の公演場で、日本の伝統芸能である能や狂言を広く普及させるために設立されました。施設内には、観客が能や狂言を存分に楽しめる舞台や、関連する研修を行うための施設が完備されています。
国立劇場の計画には、当初から能楽堂の設置が含まれていました。しかし、能や狂言の舞台形式が非常に特殊であるため、国立劇場内に設置することが困難であるとされ、別の施設として独自に設立する必要があると結論付けられました。能楽関係者や有識者の強い要望を受け、1974年(昭和49年)に芸術文化専門調査会に能楽部門が設置され、その結果、国立の能楽堂を設置することが重要であると判断されました。
1976年(昭和51年)に国立能楽堂設立準備調査会が発足し、その後、能楽堂の設立に向けた具体的な計画が進められました。用地としては、東京都渋谷区千駄ヶ谷の東京通産局跡地が選ばれ、1978年(昭和53年)に基本計画が策定されました。翌年度から実施計画が開始され、数年にわたる準備と建設を経て、1983年(昭和58年)9月に正式に開場しました。
国立能楽堂の建物は、1983年8月に竣工しました。設計は大江宏によるもので、伝統的な能楽の美しさを反映したデザインが施されています。施設内には、627席を有する1階の能舞台と、研修能舞台が設けられた2階があります。
1階に設置された能舞台は、627席の観客席を備えており、観客が舞台を間近に感じながら能や狂言の演目を鑑賞することができる設計となっています。また、2階には研修能舞台が設けられており、能楽の研修や練習が行われています。
国立能楽堂は、東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目18番1号に位置しており、都心からのアクセスも良好です。この立地により、国内外の多くの観客が訪れることができます。
国立能楽堂は、能や狂言の普及を目指し、さまざまな公演やイベントを定期的に開催しています。また、能楽の魅力を広く伝えるための教育・普及活動も行っており、日本の伝統芸能を次世代に継承する重要な役割を担っています。
国立能楽堂に関する詳細な情報や、公演スケジュールについては、公式ウェブサイトをご参照ください。