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赤城神社(新宿区)

(あかぎ じんじゃ)

伝統と現代が融合する神楽坂の鎮守

赤城神社は、東京都新宿区赤城元町、風情あふれる神楽坂の一角に鎮座する由緒ある神社です。創建は鎌倉時代の正安2年(1300年)とされ、700年以上の歴史を誇ります。明治維新以前は「赤城大明神」や「赤城明神社」とも称されていました。

祭神と信仰

主祭神

赤城神社の主祭神は岩筒雄命(いわつつおのみこと)であり、火の神・迦具土神から生まれた神とされています。また、経津主神の親神でもあります。

相殿神

相殿には赤城姫命(あかぎひめのみこと)が祀られており、一説によると神社を創建した大胡氏の息女と伝わります。彼女は神社の別当寺であった東覚寺の本地仏でもありました。

赤城神社の由緒と移転の歴史

鎌倉時代からの創建

赤城神社は、上野国赤城山の麓から牛込に移住した大胡彦太郎重治が、正安2年(1300年)に牛込早稲田の田島村に勧請して創建したと伝わります。

江戸時代以前の移転

その後、江戸城を築城した太田道灌によって寛正元年(1460年)に牛込台へ、さらに弘治元年(1555年)には大胡宮内少輔によって現在地へと移転されました。

江戸時代の信仰と格式

江戸幕府の保護を受け、江戸大社の一つとして列し、牛込の総鎮守として多くの人々に親しまれました。『江戸名所図会』にも「赤城明神社」として記載され、創建者が大胡重泰であったことや、別当寺が天台宗の東覚寺であることが記されています。

赤城神社の年表

再生プロジェクトと現代建築の融合

神社再生の経緯

老朽化と経済的困難により、再建が困難とされていた赤城神社ですが、「赤城神社 再生プロジェクト」によって再生への道が開かれました。幼稚園閉園後の跡地活用として、三井不動産レジデンシャルが約70年の定期借地権を取得。敷地内には分譲マンションやホール、ギャラリーなどを併設し、地代や賃料収入を神社の運営資金としています。

建築デザインと協力者

デザイン監修は地元神楽坂在住の建築家・隈研吾が担当。神社の伝統と調和する意匠がマンションにも施され、既存樹木の保存も図られました。この新たな神社の姿は2011年度のグッドデザイン賞(住宅部門・ビジネスソリューション部門)を受賞しています。

未来への構想

将来的には定期借地権の期間終了後にマンションを解体し、神社の杜として再生される予定です。都市と信仰の新しい形を模索したこのプロジェクトは、全国の神社再生にも一つの指針を与えるものでしょう。

境内社の紹介

出世稲荷神社

祭神:宇迦御魂命、保食命。牛込赤城元町の鎮守として親しまれています。

蛍雪天神

祭神:菅原大神。戦災で焼失した北野神社を旺文社の寄付により再興。名称は『螢雪時代』に由来し、受験生の合格祈願の神社として信仰を集めています。

神楽坂と赤城神社の魅力

神楽坂は、石畳の路地と歴史的な街並みが残る情緒豊かなエリアであり、赤城神社はその象徴的存在です。近代的な建築と伝統的な神社が共存する様子は、訪れる人々に新しい都市の価値を伝えています。

交通アクセス

都市と伝統が調和する赤城神社は、神楽坂観光の際にはぜひ立ち寄りたいスポットの一つです。

Information

名称
赤城神社(新宿区)
(あかぎ じんじゃ)

東京都内(23区)

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