羽伏浦海岸(はぶしうらかいがん)は、伊豆諸島・新島の東側に位置する美しい海岸です。白い砂浜が広がり、透き通った青い海と相まって、訪れる人々に壮大な自然の景観を提供します。羽伏浦海岸はその美しさから「新東京百景」にも指定されており、新島を訪れた際には必ず立ち寄りたいスポットの一つです。
羽伏浦海岸の南には「白ママ断層」と呼ばれる特徴的な断崖があります。「白ママ」の「ママ」とは、日本の古語で崖や土手の崩れを意味しており、この断層は火山灰層が長い年月をかけて海によって浸食され、真っ白な断崖絶壁となったものです。白ママ断層は高さが30〜250メートル、長さが約7キロメートルにもわたり、その壮大な姿は訪れた人々に圧倒的な感動を与えます。
所在地: 東京都新島村大字羽伏浦
この断層は、自然の力が作り上げた芸術ともいえる光景で、白く輝く崖が青い海とコントラストを描き、独特な景観を楽しむことができます。また、断崖を背景にした景色はフォトスポットとしても人気です。
羽伏浦海岸は、サーフィンやボディボードを楽しむ人々にとっても魅力的な場所です。ビーチブレイクのポイントとして世界的にも知られており、世界チャンピオンを決めるツアーや、日本国内のトッププロを競う大会が開催されています。特に、毎年8月下旬には「東京都知事杯」が行われ、国内外から多くのサーファーが集まります。
羽伏浦海岸は黒潮が直接ぶつかる場所に位置しており、強力な波が生まれます。これにより、太平洋からやってくる波が勢いを保ったままビーチに到達し、美しいチューブを巻く波を形成します。特に、台風の時期には波のサイズが大きくなり、サーファーたちはスタンディングでチューブインするというスリリングな体験が可能です。
サーフポイントとして有名なエリアには「羽伏浦正面」「ヘリ下」「シークレット」などがあり、どれもサーファーに人気です。特に「シークレット」ポイントは、白ママ断層の下を30分ほどトレッキングした先にあり、波の質が良いため多くのサーファーが訪れます。また、羽伏浦海岸の海底はリーフではなく砂なので、初心者でも安心して楽しむことができます。
羽伏浦正面には常設のライフガード待機所があり、安全管理が徹底されています。また、海側にはウェブライブカメラが設置されており、リアルタイムで海の様子を確認することができるため、サーファーたちは波のコンディションをチェックしてから海に入ることが可能です。
羽伏浦海岸は現代のサーフスポットとして有名になる前から、地元の人々に親しまれてきました。昔は「瀬つかし」と呼ばれる遊びが行われており、これはサーフィンやボディボードに似たものでした。子どもたちは伝馬船の踏板や機械船のさし板を利用して波に乗り、その技術を競い合っていました。中には、板を使わずに波に乗る「無手つかし」と呼ばれる熟練者もいたそうです。
羽伏浦海岸は東京都新島村に位置し、東京からのアクセスも比較的容易です。新島へは船や飛行機を利用して訪れることができ、新島港から羽伏浦海岸までは車やレンタサイクルで約10〜15分の距離です。また、夏場には観光客で賑わい、ビーチでのレジャーを楽しむ人々で溢れます。
羽伏浦海岸は、新島を代表する観光スポットであり、サーフィンを楽しむ人々や自然を愛する人々にとって、忘れられない体験を提供する場所です。白い砂浜と美しい海、そして圧倒的な存在感を放つ白ママ断層が織りなす風景は、一度訪れたら心に残ることでしょう。また、サーフィンやボディボードに挑戦する初心者からプロまで、幅広いレベルのサーファーが楽しめる環境が整っています。