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伊豆大島

(いず おおしま)

伊豆大島は、伊豆諸島の最北端に位置する火山島であり、豊かな自然と歴史を持つ観光地です。東京都に属し、観光資源としても人気の高いこの島は、美しい景観と多様な生態系、そして興味深い歴史を有しています。以下では、伊豆大島の概要から地理、気候、さらには観光スポットまで、島を訪れる際に知っておきたい情報を紹介します。

概要

伊豆大島は東京都大島町に属し、2021年3月時点での人口は7,228人です。最大の集落は元町地区で、島の西部に位置しています。伊豆大島の名物はツバキで、椿油が特産品として知られています。また、島の総面積の97%が富士箱根伊豆国立公園に指定されており、豊かな自然環境が保たれています。

アクセス

伊豆大島へのアクセスは、東京都心から船や飛行機で行くことができます。特に、東京竹芝桟橋からのフェリーは多くの観光客に利用されており、伊豆大島への玄関口となっています。

地理

伊豆大島は伊豆諸島の中で最大の島であり、本州から最も近い火山島です。島の中央には三原山という活火山があり、その山頂にはカルデラが広がっています。三原山の標高は758mで、火山活動によって形成された独特の地形が特徴です。島の周囲は相模灘に囲まれており、伊豆半島や三浦半島との距離も近く、自然の雄大さを感じることができます。

火山活動とジオパーク

伊豆大島は火山活動が活発な地域であり、2007年には日本の地質百選に選ばれました。また、2010年には「伊豆大島ジオパーク」として日本ジオパークに認定されています。ジオパークでは、火山の形成過程や噴火の歴史を学べる展示やガイドツアーが行われており、訪れる人々に火山島ならではの魅力を伝えています。

気候

伊豆大島の気候は温暖であり、年間を通じて比較的穏やかです。5月から8月にかけては南南西風が卓越し、それ以外の時期には北東風が強く吹きます。この風の影響により、島の自然景観や植生が特徴的なものとなっています。また、年間降水量は多く、島内には豊かな植生が広がっています。

生態系と自然の魅力

伊豆大島は、本州に近い位置にあるため、他の伊豆諸島とは異なる生物相を持っています。特にオオシマツツジやオオシマザクラといった固有種が自生しており、島内には特別天然記念物に指定されている「大島のサクラ株」も存在します。鳥類では、天然記念物のカラスバトが生息しており、バードウォッチングの愛好者にとって魅力的な観察スポットとなっています。

動物と海洋生物

伊豆大島周辺の海域には黒潮が流れており、ウミガメやシュモクザメなどの海洋生物が多く見られます。また、島の沿岸ではミナミハンドウイルカが観察されることもあり、ダイビングやシュノーケリングを楽しむ人々に人気のスポットです。さらに、鯨類も島の周辺で見られることがあり、クジラウォッチングも楽しめます。

観光スポット

三原山

伊豆大島のシンボルともいえる三原山は、訪れる価値のある観光スポットです。三原山は火山の力を間近に感じられる場所であり、山頂からは壮大な景色が広がります。登山道も整備されており、初心者から上級者まで楽しめるコースが用意されています。また、山頂付近では火山活動によって形成された地層や溶岩流の跡を観察することができ、地質学的な興味を引くスポットです。

地層大切断面

伊豆大島の地層大切断面は、火山噴出物による層が見られる貴重な場所です。島内の幹線道路沿いに位置しており、その独特な地形は自然の力の偉大さを物語っています。ここでは、数千年にわたる火山活動の痕跡を一目で確認することができ、訪れる人々に地球の歴史を感じさせてくれます。

元町港と筆島

元町港は、伊豆大島への玄関口であり、観光客や地元の人々が行き交う賑やかな場所です。港からは、伊豆大島の美しい海岸線を望むことができ、特に南西の海岸にある筆島は、風光明媚な景観を楽しめるスポットとして人気があります。この筆島は「日本の渚百選」に選ばれており、その美しさは多くの人々に愛されています。

観光活動と自然体験

伊豆大島では、ダイビングやバードウォッチング、フィッシングといったアウトドアアクティビティが充実しています。島の自然環境を活かしたこれらの活動は、観光客にとって大きな魅力です。また、季節ごとに異なる景観を楽しむことができるため、何度訪れても新たな発見があります。

アンコの伝統文化

伊豆大島には「アンコ」と呼ばれる独特の伝統文化があります。これは、島民の女性の衣装や生活スタイルを指し、現在でも大島を象徴する文化として観光に活かされています。アンコの文化は、伊豆大島の歴史と密接に結びついており、訪れる観光客にとって興味深い体験となるでしょう。

歴史的背景

古代から中世までの歴史

伊豆大島の歴史は古く、飛鳥時代の『日本書紀』には「伊豆島」として記載されています。この島は流刑地としても知られており、多くの歴史的な人物がこの地に流されました。中世に入ると、伊豆国に属し、鎌倉幕府や北条氏の影響を受けてきました。戦国時代には、後北条氏が伊豆諸島全体を支配するようになり、島の歴史に深い影響を与えました。

近世以降の発展

江戸時代に入ると、伊豆大島は江戸幕府の直轄地となり、さらに発展を遂げました。この時代には、島内での農業や漁業が盛んになり、椿油の生産が始まりました。また、江戸時代の終わり頃には、島内での火山活動が再び活発化し、島民にとっては大きな試練となりましたが、その後の復興により島は再び活気を取り戻しました。

まとめ

伊豆大島は、美しい自然と豊かな歴史を持つ魅力的な観光地です。三原山をはじめとする自然の名所や、歴史的な遺産、そして独自の伝統文化を楽しむことができます。訪れる人々にとって、伊豆大島は何度でも足を運びたくなる場所となることでしょう。

Information

名称
伊豆大島
(いず おおしま)

伊豆七島・小笠原

東京都