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母島

(ははじま)

母島は、小笠原諸島に属する自然豊かな島であり、東京都小笠原村に位置しています。父島の南約50 kmに位置し、姉島や妹島などの周辺の島々と共に母島列島を形成しています。小笠原村では、一般住民が居住する島は父島と母島のみです。豊かな自然と美しい景観、独自の文化が訪れる人々を魅了します。

母島のアクセス

母島へのアクセスは父島からの連絡船が唯一の手段です。父島二見港と母島沖村にある沖港を結ぶ定期船は約2時間で島を行き来します。また、母島は「ははじま丸」や貨物船「共勝丸」によって父島との間を結び、島外からのアクセスを支えています。母島は、東京港から父島まで「おがさわら丸」で到着し、そこで「ははじま丸」に乗り換えることが必要です。この連絡船は島のライフラインとなっており、貨物輸送なども行っています。

観光スポット

母島には数多くの観光スポットがあり、自然や歴史を感じられる場所が多くあります。以下では、母島の代表的な観光スポットをご紹介します。

北港

北港は母島の北部に位置し、美しい海岸線と豊かな自然が広がるエリアです。静かな環境でリラックスしながら海を楽しむことができるスポットです。

大沢海岸

大沢海岸は、母島の自然を存分に堪能できる場所で、澄んだ海と白い砂浜が訪れる人々を癒します。シュノーケリングや海水浴を楽しむ観光客に人気があります。

猪熊谷と猪熊湾

猪熊谷と猪熊湾は、母島の美しい自然が凝縮されたエリアで、ハイキングやトレッキングに最適です。島内には多くの遊歩道が整備されており、自然散策を楽しむことができます。

乳房山

母島の最高峰である乳房山(標高463m)は、島のシンボル的存在です。この山の頂上からは、360度のパノラマビューが楽しめ、母島全体を見渡すことができます。山頂までの道のりは険しいですが、登りきると絶景が広がります。

静沢の森遊歩道

静沢の森遊歩道は、母島の豊かな植物相を堪能できる遊歩道です。森林浴を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごすことができ、観光客に人気のスポットです。

母島の歴史的名所

母島には、自然だけでなく歴史的な名所も点在しています。これらの場所は、母島の過去の姿を垣間見ることができる貴重な遺産です。

月ヶ岡神社

月ヶ岡神社は、母島の氏神を祀る神社であり、島民の信仰を集めています。この神社では、毎年祭りが行われ、島の文化を感じることができます。

東港探照灯下砲台

東港探照灯下砲台は、戦争時代の遺跡であり、歴史的な背景を持つ場所です。戦争時代の遺構がそのまま残されており、母島の歴史を学ぶことができます。

母島の産業と特産品

母島では、農業、漁業、観光業が主要産業として発展しており、観光業は近年増加傾向にあります。2019年には6,023人の観光客が母島を訪れ、島の魅力が広がりつつあります。

ラム酒の製造

母島では、小笠原ラム・リキュール株式会社が国産のラム酒を製造しています。このラム酒は、島の特産品として多くの観光客や地元の人々に愛されています。

カカオ栽培とチョコレート製造

2013年に、平塚製菓と折田農園が母島でカカオの栽培に成功し、2015年にはチョコレートを完成させました。さらに2019年には500本のカカオを栽培する設備を整え、母島産のチョコレートを商品化しています。この取り組みは、母島の新たな産業として注目されています。

特産品

母島にはさまざまな特産品があります。パッションフルーツ、ミニトマト、カジキ、ラム酒などが挙げられ、これらの特産品は観光客のお土産として人気です。

母島の地理と自然

母島は面積19.88 km²、人口459人(2019年時点)の小さな島です。しかし、その自然の豊かさと生物の多様性は非常に高く、特に珍しい鳥類や植物が多く見られます。

ハハジマメグロ

母島固有の鳥であるハハジマメグロは、絶滅危惧種に指定されており、母島の生態系を象徴する存在です。この鳥を見るために多くのバードウォッチャーが訪れます。

クジラとイルカ

母島の周辺海域では、ザトウクジラやマッコウクジラ、イルカ(ミナミハンドウイルカやハシナガイルカ)などの海洋哺乳類が見られ、ホエールウォッチングやドルフィンウォッチングが人気のアクティビティです。

オガサワラオオコウモリ

オガサワラオオコウモリは、母島周辺の翼手類であり、島の夜行性動物として知られています。夜間にはこのコウモリを見ることができ、自然観察の魅力の一つです。

気候と天候

母島は温暖な気候で、年間を通して温かく、特に夏には多くの観光客が訪れます。島の北部にある評議平地区に気象庁の観測所(アメダス)が設置されており、母島の気候データを提供しています。観光に最適な季節は春から夏にかけてであり、自然を楽しむには絶好のシーズンです。

歴史

母島には長い歴史があります。1639年、オランダ東インド会社の船が無人島を発見し、母島をエンゲル島と名付けました。その後、江戸幕府やイギリスの探検家たちも島を訪れています。戦後、母島は米軍の管理下に入りましたが、1968年に日本に返還されました。1972年には定住が再開され、国立公園に指定されました。

主な歴史的な出来事

交通手段

島外のアクセス

母島は二次離島であり、父島からの「ははじま丸」が主な交通手段です。また、貨物船「共勝丸」も島と島外の物流を支えています。交通手段が限られているため、訪れるには事前の計画が必要です。

島内の移動手段

母島には公共交通機関がなく、移動手段は自家用車やレンタルバイクなどが主流です。島内では、都道241号線が南北に縦貫しており、観光スポットを巡る際には車やバイクが便利です。レンタカーやレンタルバイクのサービスも提供されています。

母島(ははじま)は、東京都小笠原村に属する小笠原諸島の島です。父島の南約50 kmに位置し、周囲の姉島や妹島などとともに母島列島を形成しています。小笠原村で一般住民が居住するのは父島と母島のみです。

Information

名称
母島
(ははじま)

伊豆七島・小笠原

東京都