十三社神社は、東京都新島村本村に位置する神社で、伊豆諸島最大規模を誇る神社です。新島の総鎮守として「明神さま」とも呼ばれ、東京都神社庁の管轄下にあります。神社の背後には宮塚山の絶壁がそびえ立ち、厳かな雰囲気を醸し出しています。
十三社神社は、伊豆諸島を開拓した祖神である事代主命(ことしろぬしのみこと)を主祭神として祀っています。この神社の名前の由来でもある「十三」という数字は、事代主命を含む合計13の神々を祀っていることから来ています。主祭神である事代主命は、通称「恵比寿神」としても知られており、以下の12柱の同族神々が合祀されています。
また、この他にも天照皇大神、八幡大神、春日大神、東照宮が配祀されています。
伝承によると、伊豆国造の祖である大三王子明神は、父である事代主命の志を引き継ぎ、同族の12神と共に新島を本拠地としたと言われています。この歴史は、「伊豆宿禰系図」にも記されており、新島における神々の重要な役割を示しています。
神社の創建は592年頃と伝えられていますが、正確な創祀時期については不明です。もともとは「十三社大明神」と称され、島の総鎮守としての役割を果たしてきました。神社は当初、新島村の中心部に位置していましたが、1649年の災火により現在の場所に遷座しました。1718年には、神祇官から「正一位」の神階を授けられ、その格式が高められました。
現在の社殿は、1933年に本殿が新築され、1940年には拝殿も新築されました。この建物は、昭和初期の特徴を持ちながらも、厳かで荘厳な雰囲気を保っています。
境内には、以下の社が鎮座しています。
さらに、当社には20の末社が存在しており、その広がりは新島全域にわたります。
毎年12月8日には例祭である師走祭りが執り行われ、地域の人々が集まります。また、東京都の無形文化財に指定されている「獅子木遣」や「神楽」など、伝統的な神事も行われます。
十三社神社は、東京都指定の有形文化財である「銅鏡」や「絵」などを所蔵しており、これらの貴重な文化財は神社の歴史的価値をさらに高めています。
新島の大三山の中腹には、大三王子明神と弟三王子明神を祀る神社があり、延喜式内社としてその格式を誇っています。三島大明神とその后「みちのくちの大后」の子として伝えられる大三王子明神は、伊豆諸島における神々の歴史においても重要な存在です。
神社の東側にある峰路山では、縄文時代や弥生時代の土器片が発掘された田原遺跡があります。これにより、この地域が古代から人々の生活の場であったことが示されています。
十三社神社へのアクセスについては、東海汽船(神新汽船)「新島港」(黒根港または前浜港)から車で5〜10分、徒歩で20〜30分ほどの距離です。また、無料巡回バス「ふれあいバス」も利用可能で、新島港から「住民センター前」バス停で下車後、徒歩数分で到着します。詳しいバスのルートや時刻表は、新島村の公式サイトや観光案内ページで確認できます。
これらの観光スポットも、神社を訪れた際に合わせて楽しむことができます。