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御蔵島村

(みくらじまむら)

御蔵島村は、東京都の島嶼部に位置する美しい村です。この村は、伊豆諸島の中部にある御蔵島と無人島の藺灘波島(いなんばじま)を区域としています。東京都心から南へ約200キロメートルに位置し、太平洋上に浮かぶ断崖絶壁の島として知られています。自然豊かな環境と独自の生態系を持つこの島は、観光客にとって魅力的なスポットとなっています。

御蔵島村の基本情報

御蔵島村は、東京都御蔵島村が正式な住所表記であり、三宅支庁が所管する地域です。村域の面積は20.58平方キロメートル、世帯数は173世帯、人口は331人(2020年8月1日時点)です。村の最高峰である御山は標高851メートルを誇り、壮大な自然景観が広がっています。

自然と観光スポット

ドルフィンウォッチング

御蔵島は、野生のイルカが生息する海域として有名であり、ドルフィンウォッチングはこの島で最も人気のある観光アクティビティです。透明度の高い海でイルカと一緒に泳いだり、ボートからその姿を観察したりすることができます。

森林散策

御蔵島のほとんどのエリアは国立公園に指定されており、豊かな自然環境が保護されています。森林散策は、専門のガイドが案内することで楽しむことができます。島内には、ガイドなしで立ち入ることが禁止されているエリアも多く、自然の中でのアドベンチャーが待っています。

巨木巡り

御蔵島は、古代からの巨木が多く存在することでも知られています。特に有名なのは樹齢数百年の「御蔵の巨木」で、神秘的な雰囲気が漂っています。これらの巨木を巡るツアーも、観光客に人気のアクティビティです。

宿泊施設と観光情報

御蔵島村には、2020年現在で宿泊施設が6軒と村営のバンガローが7棟あります。しかし、観光客は「宿泊の予約がない場合は上陸できない」ことが村の観光協会から通知されています。これは、島内全域が国立公園であり、キャンプや野宿が禁止されているためです。また、定期船の就航率が低く、日帰り観光が難しい点にも注意が必要です。

食事と買い物

島内には、食料品や生活用品を扱う商店が2軒、土産物屋が1軒、農漁協の購買部が1つあります。島の生活に必要なものは最低限揃っており、観光客も必要な物資を調達することができます。

アクセス情報

海運

御蔵島へのアクセスは、東海汽船が運航する貨客船「さるびあ丸」や「橘丸」によるものが一般的です。東京港(竹芝桟橋)から出発し、三宅島、御蔵島、八丈島を結ぶ航路で運航されています。しかし、天候不良などにより欠航することが多く、年間の就航率は60%前後、冬場には30%にまで落ち込むこともあります。

航空

航空便では、東邦航空が運航するヘリコミューター「東京愛らんどシャトル」が利用できます。八丈島空港と三宅島空港から御蔵島へのフライトがあり、八丈島では羽田空港発着のANA便、三宅島では調布飛行場発着の新中央航空便との乗り継ぎが可能です。

島内交通

村内には国道はなく、東京都道223号御蔵島環状線が島内を巡ります。バスやタクシー、レンタカーのサービスはありませんが、島内の道は急勾配で自転車の使用も禁止されています。

注意事項

御蔵島は豊かな自然と独自の文化が魅力ですが、その環境を守るためのルールも多く存在します。訪れる際は、観光協会やガイドの指示に従い、自然環境を尊重する行動を心がけてください。また、事前に宿泊施設の予約を必ず行い、余裕を持ったスケジュールで訪れることをおすすめします。

藺灘波島

藺灘波島の概要と魅力

御蔵島村に属する無人島である藺灘波島(いなんばじま)は、御蔵島の南西約35キロメートルの海上に位置しています。この島は周囲約580メートル、面積約15,865平方メートルという小さな島ですが、そのユニークな地形と豊かな生物相が特徴です。

地形と自然環境

藺灘波島は、海底の御蔵海盆からそびえ立つ孤立した岩山で、最頂部は高さ約75メートルに達します。島の周囲は急峻な断崖に囲まれており、唯一の上陸可能地点は島の南壁下にある岩礁です。自然のままの手つかずの環境が広がっており、ここを訪れる人々は、豊かな海洋生物や自然の美しさを間近で体感することができます。

生物相

藺灘波島は黒潮の直中に位置しており、周辺の海域は魚が豊富に生息しています。そのため、釣り師やダイバーにとっては憧れのスポットとして知られています。島の周辺でのダイビングでは、美しいサンゴ礁や色鮮やかな魚たちと出会えるほか、かつてはニホンアシカも生息していたという歴史を持ちます。現在ではニホンアシカは絶滅していますが、島周辺の海域は依然として豊かな生態系を保っています。

御蔵島の観光スポット

イルカウォッチング

御蔵島の周辺海域には多くの野生のミナミバンドウイルカが生息しています。イルカウォッチングツアーに参加すると、これらのイルカと一緒に泳いだり、間近で観察することができます。春から秋にかけてが最もイルカに出会いやすいシーズンで、多くの観光客が訪れます。

ハイキングとトレッキング

御蔵島は、その険しい地形を活かしたハイキングやトレッキングが楽しめる場所です。島全体が自然保護区としての役割も果たしているため、整備されたトレイルを歩きながら、島の豊かな植生や動物たちを観察することができます。また、島の頂上からは太平洋の雄大な景色が広がり、訪れる人々に感動を与えます。

アクセス情報

御蔵島へのアクセス

御蔵島への主なアクセス手段は、東京からの船便とヘリコプターです。竹芝桟橋からは定期船が運航しており、約7時間の船旅で到着します。また、調布飛行場からはヘリコプター便が運航しており、約30分で御蔵島に到達します。ただし、天候により運行が影響を受けやすいため、事前に最新の運航情報を確認することをおすすめします。

藺灘波島へのアクセス

藺灘波島には定期航路が存在せず、渡島するためには伊豆下田や神津島から漁船をチャーターする必要があります。距離があるため、チャーターする際には近海許可を持つ船を利用することが求められます。上陸自体が困難な場所であるため、藺灘波島を訪れる際は十分な準備が必要です。

御蔵島・藺灘波島の観光の魅力

御蔵島と藺灘波島は、手つかずの自然と豊かな海洋生態系に恵まれた場所です。訪れる人々にとっては、都会の喧騒を離れ、静寂と美しい自然に囲まれる特別な体験が待っています。特に、イルカウォッチングやダイビング、釣りといったアクティビティは、島の自然と触れ合いながら楽しめる人気のアクティビティです。

さらに、御蔵島の山々や藺灘波島の独特の地形は、自然愛好者や冒険心を持つ旅行者にとって理想的な目的地となっています。アクセスは決して簡単ではありませんが、それがこの場所の特別感を一層高めています。

訪れる際の注意点

御蔵島や藺灘波島を訪れる際は、いくつかの注意点があります。まず、島は天候に非常に影響を受けやすいため、事前に天気予報や船・飛行機の運行状況を確認することが重要です。また、自然保護区としての役割を果たしているため、自然環境に配慮した行動が求められます。特にイルカウォッチングやハイキングなどのアクティビティに参加する際は、ガイドの指示に従い、安全に楽しむことが大切です。

このように、御蔵島村と藺灘波島は、自然の美しさと独自の体験を提供する特別な場所です。是非訪れて、都会では味わえない貴重なひとときを過ごしてみてください。

まとめ

御蔵島村は、東京都の島嶼部に位置する自然豊かな村です。ドルフィンウォッチングや森林散策、巨木巡りなど、自然と触れ合う観光体験が充実しています。しかし、観光の際には事前準備が不可欠であり、島の環境保護に協力する姿勢が求められます。心に残る自然体験を楽しむために、御蔵島を訪れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
御蔵島村
(みくらじまむら)

伊豆七島・小笠原

東京都