新島村は、東京都の島嶼部に位置する美しい村で、観光業が盛んです。新島と式根島の2つの主要な有人島から構成され、温泉やビーチを中心に多くの観光スポットが点在しています。村の人口は約2,500人で、夏は比較的涼しく、冬は比較的暖かい気候が特徴です。
島々は豊かな自然と温泉、美しいビーチなどで知られ、多くの観光客を惹きつけています。また、サーフィンや釣りなどのアクティビティを楽しむことができ、都会の喧騒を離れたリラックスした時間を過ごせるのが特徴です。
新島村は、東京都心の南約160kmに位置する太平洋上の村です。新島、式根島、無人島の鵜渡根島(うどねじま)、早島(はんしま)、地内島(じないじま)の5つの島々から成り立っています。主要な山としては、新島に宮塚山、大峯、丹後山、向山があり、式根島には神引山がそびえています。特に、新島の向山は886年の大噴火によって形成されたとされており、自然の力を感じることができます。
新島村は、南海トラフ巨大地震が発生した際には、最大14mの津波が到達する可能性があると予測されています。これは、東京都下の市町村の中で2番目に高いリスクであり、村全体が災害対策に取り組んでいます。
新島村には、歴史的な名所や自然の美しい風景が広がる観光スポットが数多くあります。ここでは、その中でも特に注目すべき観光スポットをいくつか紹介します。
伊豆諸島最大規模を誇る神社で、長い歴史を持つ神聖な場所です。神社の周囲には美しい自然が広がり、訪れる人々に平穏と癒しを提供します。この神社は、島の守護神を祀る場所として古くから信仰を集めており、観光客にとっても伊豆諸島の歴史を感じることができるスポットです。
全長2878mと日本の離島で最長を誇るトンネルです。新島の交通の便を支える重要なインフラであり、その長さと工学的な見どころがあるため、観光客にとっても興味深いスポットです。
新島の南東部に位置し、真っ白な崖が海に向かってそびえる絶景ポイントです。この崖からの眺めは美しく、多くの写真愛好家が訪れるスポットとなっています。
ガラス質の白い砂浜が5km以上も続く、美しいビーチで、特にサーフィンの名所として世界的に知られています。砂浜の美しさと波の迫力が同時に楽しめるこのビーチは、サーファーやビーチリゾートを楽しみたい人々に人気のスポットです。
新島から少し離れた式根島には、天然の海岸露天風呂である「松が下雅湯」と「地鉈温泉」があり、ここでは海と一体になったかのような感覚で温泉を楽しむことができます。温泉に浸かりながら、美しい海と夕陽を眺めることができ、心身ともにリラックスできる場所です。
新島村には、地元ならではの特産品が多く、訪れる観光客にとってもお土産やグルメとして楽しめるものが豊富です。ここでは新島と式根島で作られる代表的な名産品を紹介します。
新島の名物として有名なのが「くさや」です。くさやは、ムロアジやトビウオなどの魚をくさや液と呼ばれる発酵した調味液に漬け込んで作られる干物で、その独特な香りが特徴です。好き嫌いが分かれる食品ですが、一度食べるとその味わいにハマる人も多いです。新島島内には「くさやの里」と呼ばれる生産団地があり、ここで新鮮なくさやを購入することができます。
新島村で採れる抗火石(コーガ石)は、ガラス質で多孔性の鉱石であり、水に浮くほど軽く、耐火性に優れた特性を持ちます。この石は新島の象徴ともいえる存在であり、観光客は抗火石を使った工芸品やお土産を購入することができます。
新島のガラス質の砂を使って作られる新島ガラスは、独特のオリーブグリーンの色合いが特徴です。島内にはガラス美術館があり、訪れる観光客はこの美しいガラス製品の展示を楽しむことができます。工芸品としても人気が高く、持ち帰りたくなる一品です。
新島特産の抗火石を使ったモヤイ像は、島のあちこちに設置されており、そのユニークなデザインが観光客の目を引きます。モヤイ像は「舫う」や「協力し合う」といった意味を持つ言葉から来ており、新島の象徴的な存在です。島外にも贈られたモヤイ像は、渋谷駅前や蒲田駅前などで目にすることができます。
新島村は、豊かな海に囲まれているため、サザエやアワビ、イセエビなどの高品質な魚介類が豊富に収穫されます。特に、タカベと呼ばれる魚や赤いかは、この地域ならではの特産品として人気があります。観光客は、地元の食材を使った新鮮な料理を楽しむことができ、島の恵みを存分に味わうことができます。
伊豆諸島の伝統的な食文化の一つであるたたきも、新島ならではの味わいがあります。調味した魚のすり身を重曹を加えてふっくらと仕上げるのが新島の特徴で、この食感が他の地域とは異なる魅力を持っています。地元では、鍋物やみそ汁などに入れて食べることが多く、観光客にとっても地元の味覚を楽しむことができます。
新島村では、アシタバや島とうがらしなど、伊豆諸島各地で栽培される農作物も豊富です。その中でも、特徴的なものとして「あめりか芋」があります。このサツマイモは痩せた土地でも育つ強い作物で、島の農業において重要な位置を占めています。また、近年では島焼酎の生産も盛んで、地元産の原料を使った焼酎は観光客に人気があります。
新島は、ビーチリゾートとしても知られており、特にサーフィンや海水浴、釣りを楽しむ観光客にとって魅力的なスポットです。無料のシャワーが各ビーチに設置されているため、快適に海を楽しむことができます。
世界的に有名なサーフスポットである羽伏浦海岸は、世界のトップサーファーたちも訪れるほどの場所です。ジェリー・ロペスやアンディ・アイアンズ、ケリー・スレーターなど、著名なサーファーがここでその技を披露してきました。遠洋から力強く押し寄せる波が特徴で、特に大波が立つときにはチューブを巻く美しい波が見られます。初心者から上級者まで幅広いサーファーに対応していますが、波が大きな時は注意が必要です。
羽伏浦海岸と同じ方角に位置し、良い波が立つ海岸です。サーフィンを楽しむには最適な場所ですが、村内からやや離れているため、海水浴客が少なく、静かなビーチライフを満喫できます。こちらにも無料のシャワーが設置されています。
透明度の高い海水が特徴で、波が少ないため、特に海水浴に適しています。テトラポッドや桟橋に囲まれているため、波が静かで、初心者でも安心して泳ぐことができます。桟橋から釣りを楽しむこともでき、多様な魚が釣れるスポットです。
黒砂のビーチで、若郷に通じる新トンネルの完成によりアクセスが容易になりました。訪れる際には、交通ルールに注意しつつ、静かなビーチを楽しむことができます。
式根島を臨むことができる絶景スポットです。海中には岩が点在しているため、シュノーケリングやダイビングにも適しています。また、サーフィンも可能ですが、岩場が多いため、十分に注意が必要です。
新島村の主な産業は漁業と農業で、地元の豊かな自然を活かした生産活動が行われています。また、観光業も重要な産業の一つであり、島の特産品や自然の魅力を活かした観光地として多くの人々が訪れます。
新島の周辺には黒潮が流れており、アカイカやイセエビ、トビウオなど豊富な魚介類が漁獲されています。特に有名なのがくさやで、新島の干物として全国的に知られています。島内の宿泊施設では、新鮮な魚介類を使用した料理が提供され、地元の味覚を堪能することができます。
新島では、アシタバや島とうがらし、アメリカ芋などが栽培されています。これらの農作物は地元の特産品として販売されており、観光客も購入することができます。特に、アシタバを使ったてんぷらや、アメリカ芋を使った焼酎などは、新島ならではの味覚です。
新島はその自然の美しさと多様なアクティビティによって、多くの観光客を惹きつけています。特に、サーフィンや海水浴、温泉などを楽しむ人々にとっては理想的な場所です。島内には無料の温泉施設やバーベキュー場、キャンプ場が整備されており、手軽にアウトドア体験を楽しむことができます。また、新島の観光業は地域経済の一部として大きな役割を果たしており、観光客に対しても心温まるサービスが提供されています。
新島村の歴史は、1923年(大正12年)10月1日に島嶼町村制が施行され、新島本村と若郷村が設立されたことに始まります。その後、1926年(大正15年)に大島支庁が設置され、1936年(昭和11年)には地震による大規模な被害が発生しました。この地震では、死者3人、負傷者50人、家屋全壊20戸、半壊350戸という甚大な被害が記録されています。
1954年(昭和29年)11月1日には新島本村に若郷村が編入され、1992年(平成4年)4月1日には新島本村が新島村と改称されました。この改称は、村内の地名「本村(ほんそん)」との混同を避けるために行われました。
人口は、1970年には約3,654人でしたが、2020年には2,441人と減少傾向にあります。この減少は、観光業に依存する地域経済の課題とも密接に関連しています。
新島村へのアクセス手段としては、空路と航路が利用可能です。新島空港からは、調布飛行場との間に一日四往復のフライトがあり、所要時間は約40分です。航路では、東海汽船が運航する客船「さるびあ丸」や「橘丸」が東京、横浜、大島、利島を経由して新島と式根島に毎日就航しています。シーズンによっては、ジェット船が運航されることもあります。
新島村内の移動には、無料のふれあいバスが便利です。また、新島港や式根島港を拠点に、複数の漁港や港湾施設が整備されています。観光客は、これらの港から観光船や連絡船に乗って島を巡ることができます。
新島村は、美しい自然環境と豊かな文化、そして温泉やビーチといった魅力が詰まった観光地です。都心からのアクセスも良好で、日常を離れてリフレッシュできる場所として人気があります。観光客は、新島村の歴史や文化に触れながら、自然の中でリラックスした時間を過ごすことができるでしょう。