梅照院は、東京都中野区にある真言宗豊山派の寺院で、一般には「新井薬師」として知られています。山号は新井山です。中野区最大の寺院であり、都内でも有数の著名寺院の一つです。西武新宿線の「新井薬師前駅」の名称にもその名が使われており、地域住民からも親しまれています。
山門にかけては商店街が続く門前町が広がり、地域住民からも親しまれています。足立区にある西新井大師と同じく、真言宗豊山派の寺院であり、高尾山薬王院、日向薬師、峰の薬師とともに武相四大薬師に数えられています。
梅照院は、天正4年(1586年)に僧・行春によって創建されました。本尊は、弘法大師・空海が作ったと伝えられる薬師如来と如意輪観音像です。この本尊は表を薬師如来、裏を如意輪観音とする二仏一体の像であり、秘仏とされています。12年に一度の寅年にのみ開帳される特別な仏像です。
当寺の薬師如来は、江戸幕府2代将軍・徳川秀忠の五女で後水尾天皇の中宮であった和子(東福門院)が眼病平癒を祈願し、回復したという伝承があります。この出来事から、特に眼病治癒の利益(りやく)があるとされ、広く知られるようになりました。また、子育てなどのご利益もあるとされています。
広大な境内には本堂や不動堂があり、また一般に開放されている井戸水(白龍権現水)があり、多くの人々が飲用水としてこの水を汲みに訪れます。
毎月8のつく日(8日、18日、28日)には縁日が開催され、境内には多くの露店が立ち並び、多くの参拝者や観光客で賑わいます。
梅照院は、南北朝時代にこの地域に本拠地を構え、南朝方(新田義貞)に与した窪寺氏の葬地にもなっている歴史的な場所でもあります。
武相四大薬師とは、東京都および神奈川県にある薬師如来を本尊とする4つの寺院のことを指します。以下の寺院がその代表です。
中野区立新井薬師公園は、梅照院に隣接する区立公園で、南西から北東に走る中野通りを挟んで東側と西側に分かれています。新井薬師は公園の東側に位置し、池などもあり自然を楽しむことができます。
新井薬師公園は、1914年(大正3年)に梅照院が境内を一般に開放したのが始まりで、その後も地域住民に親しまれています。また、公園はドラマのロケ地としても有名で、フジテレビの「結婚できない男」や「いつまでも白い羽根」、TBSの「コウノドリ」などの撮影に使用されています。
梅照院へは以下の方法でアクセスすることができます。