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善福寺公園

(ぜんぷくじ こうえん)

善福寺公園は、東京都杉並区に位置する都立公園であり、東京都建設局が所轄しています。この公園は、豊かな自然と歴史的背景を持ち、市民に愛される憩いの場として広く親しまれています。

公園の概要

善福寺公園は、美しい善福寺池を中心に設計され、遊具や遊歩道が整備された魅力的な公園です。この池は、善福寺川の水源であると同時に、東京都水道局杉並浄水所の水源としても重要な役割を果たしています。23区内で東京都水道局が管轄する水道で、井戸を水源としているのはこの場所だけです。

公園の特徴

公園内には、北池と南池の2つの池があり、これらの池を中心にした景観が市民の憩いの場となっています。善福寺公園は、1961年6月16日に開園し、長年にわたり地域の人々に親しまれてきました。また、井の頭池(井の頭恩賜公園)や三宝寺池(石神井公園)とともに「武蔵野三大湧水池」としても広く知られています。

歴史的背景

善福寺池は、古くから武蔵野台地からの湧水池として知られており、江戸時代には貴重な水源として利用されていました。この池は「遅野井池」とも呼ばれ、周辺地域の「上井草村」は別名「遅野井村」とも言われていました。池の名前の由来は、かつて池のほとりに存在した「善福寺」という寺に由来しますが、江戸時代に廃寺となり現在は存在しません。

さらに、現在「善福寺」という名の寺が近隣にありますが、これは元々「福寿庵」という別の名前であり、後に地名を取って改名されたものです。このため、池の名前とは直接の関係はありません。

自然豊かな公園の魅力

善福寺池は湧水量が豊富で、その周囲には武蔵野の雑木林を思わせる木々が多く生い茂っています。そのため、野鳥や草花も豊富で、都内では珍しい自然豊かな公園として知られています。

遅の井の滝

公園内には「遅の井の滝」という名所があります。この滝は善福寺池の湧水の一つで、その起源は古く、文治5年(1189年)に源頼朝が奥州征伐に向かう途中、この地で水を求めて土を掘り、やがて水が湧き出たという伝説があります。滝の名前「遅の井」は、この伝説に由来しています。現在では泉が涸れてしまったため、新たに井戸を掘り、ポンプで水を汲み上げて「遅の井の滝」として復元されています。

アクセスと利用案内

善福寺公園へのアクセスは非常に便利です。JR中央線・東京メトロ丸ノ内線荻窪駅から関東バス「南善福寺」行きに乗り「善福寺公園前」で下車すれば、徒歩0分で到着します。また、JR中央線西荻窪駅からは、関東バスや西武バス「上石神井駅」行きまたは「大泉学園駅」行きに乗り、「善福寺」で下車後徒歩5分、JR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅からも同様にアクセスが可能です。さらに、西武新宿線上石神井駅や西武池袋線大泉学園駅からも、バスでアクセス可能です。

公園は無料で入園でき、24時間いつでも開園しています。ただし、ボートの貸し出しは一時中止されていましたが、2006年3月25日から再開されました。ボートは日中のみ利用可能で、土日祝日に営業しています(有料)。12月から3月までは休業していますが、桜の開花時期に応じて営業期間が変更されることがあります。

周辺施設

善福寺公園の近くには東京女子大学があり、学生たちの憩いの場としても利用されています。また、散策中には地域の豊かな自然を楽しむことができる他、公園内外で歴史的な名所にも立ち寄ることができます。

まとめ

善福寺公園は、自然豊かな環境と歴史的な背景を兼ね備えた都内でも貴重な公園です。四季折々の風景を楽しめるだけでなく、歴史に触れながらゆったりとした時間を過ごせる場所として、ぜひ訪れてみてください。

Information

名称
善福寺公園
(ぜんぷくじ こうえん)

中野・荻窪

東京都