町田市立国際版画美術館は、東京都町田市原町田四丁目に位置する、日本国内でも珍しい版画専門の公立美術館です。
1987年(昭和62年)に開館した町田市立国際版画美術館は、芹ヶ谷公園内に位置し、国内外の版画芸術の交流の場として設立されました。この美術館は、版画を中心にした幅広い活動を展開し、市民の美術に関する知識と教養の向上を図り、町田市の文化発展に貢献することを目的としています。
館内には、ヨーロッパ中世から現代までの国外の版画作品、そして奈良時代から現代までの国内の版画作品を収蔵しており、その数は27,000点以上に及びます。これらの作品は、保存および調査が行われており、定期的に展示が行われています。
また、美術館内には展示室だけでなく、版画工房やアトリエも備えられており、さまざまな版画制作技法を学ぶ実技講座や、一般への施設開放、作家を招いての公開制作が行われています。特に、銅版画(ドライポイント)、リトグラフ、木版画の基本的な制作を体験できる講座が開催され、初心者でも気軽に版画制作を楽しむことができます(対象:15歳以上の初心者(中学生は除く))。
町田市立国際版画美術館の建物は、その優れた建築デザインが評価され、第27回BELCA賞ロングライフ部門およびJIA25年賞を受賞しています。また、2015年(平成27年)には施設の大規模修繕工事が行われ、美術館全体が新たに生まれ変わりました。
2016年度に策定された「芹ヶ谷公園再整備基本計画」に基づき、新たな美術館や体験型施設を併設する「芹ヶ谷公園“芸術の杜”プロジェクト」が進行中です。このプロジェクトの一環として、町田市立国際版画美術館もリニューアルが予定されており、今後ますます充実した施設として、市民や訪問者に愛されることでしょう。
町田市立国際版画美術館には、著名な日本の版画家たちの作品が収蔵されています。代表的な作家としては、以下のような人物が挙げられます。
海外の著名な版画家の作品も多く収蔵されています。中でも特に注目すべき作家は以下の通りです。
町田市立国際版画美術館の開館時間は以下の通りです。
休館日は原則として月曜日および年末年始(12月28日~1月4日)です。詳細な休館日については公式ウェブサイトをご確認ください。
企画展示の観覧料は展覧会ごとに設定されますが、常設展示は無料でご覧いただけます。また、以下の特定の日には無料開放が行われます。
電車をご利用の場合、小田急小田原線町田駅および横浜線町田駅から徒歩約15分、またはターミナル口からは徒歩約12分です。自家用車をご利用の場合、芹ヶ谷公園駐車場(第1駐車場)は38台分の有料駐車場があり、国際版画美術館駐車場(第2駐車場)には74台分の無料駐車場が完備されています。
町田市立国際版画美術館は、版画の魅力を存分に味わえる場所として、版画愛好者はもちろん、幅広い世代の人々に親しまれています。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。