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新選組のふるさと歴史館

(しんせんぐみ れきしかん)

日野市立新選組のふるさと歴史館は、東京都日野市に位置する公立の博物館です。2005年(平成17年)に開館し、日野市と深い関わりを持つ新選組や、甲州街道日野宿などに関する展示や研究を行っています。2005年(平成17年)に開館し、その後多くの歴史愛好家や観光客に訪れられています。本館では、新選組の誕生から終焉に至るまでの歴史を、豊富な文献や史料を通じて紹介しています。

展示内容

常設展示「新選組・新徴組と日野」では、主に文献資料を基に新選組の誕生から終焉までを紹介しています。また、定期的に特別展や企画展を開催し、訪れる度に新しい発見を提供しています。歴史的な資料を用いた展示により、新選組が果たした役割やその歴史的背景を深く学ぶことができる場所です。

特別展と企画展

これまで、新選組といえば「剣を振るって戦った剣豪集団」というイメージが強く、土方歳三の函館での壮絶な最期などが注目されがちでした。しかし、歴史館では特別展を通じて、新選組の誕生から終焉までを通史的に扱い、その位置づけを再評価する試みが続けられています。

この展示は、過去の特別展の成果を基に、新たな史料や研究成果を加えた展示となっています。さらに、企画コーナーも設けられており、リピーターにも新しい発見を提供しています。通常は「甲州道中」や「日野宿」に焦点を当てた展示が行われていますが、企画展や特別展も定期的に開催されています。

展示資料

展示資料には、新選組関連の貴重な文献や書状類が含まれています。例えば、近藤勇の書状や、日野の名主で土方歳三の義兄でもある佐藤彦五郎の日記、さらには新選組最後の隊長、相馬主殿(主計)の回想録『贈友談話』などが展示されています。また、戊辰戦争で使用された武器や錦絵なども展示されており、訪れる人々は当時の歴史に触れることができます。

日野市と新選組の関わり

日野市は江戸時代、五街道の一つである甲州街道沿いの日野宿として栄えていました。幕府直轄地であった日野は農業が盛んであり、剣術も広く行われていました。幕末期には新選組副長である土方歳三や六番隊組長の井上源三郎がこの地で生まれ、近藤勇や沖田総司、山南敬助らも日野を訪れ剣術を学んでいました。

彼ら若者たちはやがて幕末の動乱の中で京都へと向かい、新選組として歴史にその名を刻みました。日野の名主であった佐藤彦五郎は、彼らを精神的・物質的に支援し、戊辰戦争の柏尾(勝沼)の戦いでは自ら軍を率いて新政府軍と戦ったとされています。

新選組のふるさと・日野

現在でも日野市には、当時の歴史を伝える「日野宿本陣」や旧佐藤彦五郎邸が残っています。さらに、土方家・井上家・佐藤家などの関係者や子孫によって、新選組に関する貴重な資料が数多く保存されています。日野市はまさに「新選組のふるさと」と呼ぶにふさわしい場所です。

日野宿本陣の歴史

日野本町には、東京都内で唯一現存する本陣の建物が残されています。この本陣は、日野市によって史跡に指定され、耐震補強を含む保存修理が計画されています。また、本陣の前にはかつての道場があり、佐藤彦五郎が開いた天然理心流の剣術道場がありました。ここで新選組局長の近藤勇が剣術を教え、土方歳三や沖田総司、井上源三郎、山南敬助など新選組の主要メンバーが出会い、剣術の稽古を行っていました。

新選組の歴史と名称

新選組の概要

新選組は、幕末期に江戸幕府が組織した浪士隊であり、尊攘派の摘発を主な任務としていました。結成当初は24名の隊士から始まり、最大時には約230名が所属していたとされています。新選組は京都守護職の会津藩主・松平容保の庇護のもと、京都で活動し、攘夷派の取り締まりを行いました。

しかし、内部抗争や資金集めをめぐる問題が絶えず、隊の規則違反者に対する粛清も頻繁に行われました。新選組は慶応3年(1867年)に幕臣に取り立てられましたが、その翌年の戊辰戦争では敗北し、最終的には解散へと至りました。

新選組の名称の表記

新選組の「選」の字は「撰」と表記されることもあり、史料によっては「新撰組」と記載されています。近藤勇をはじめ、隊士たちが残した手紙でも両方の表記が用いられていますが、隊の公印が押された文献では「選」の文字が使用されているため、近年の歴史教科書では「新選組」という表記が一般的になりつつあります。

新選組の終焉

新選組は戊辰戦争で鳥羽・伏見の戦いに敗れ、甲州勝沼での戦いでも大敗を喫しました。局長の近藤勇は捕らえられ斬首刑に処され、副長の土方歳三も箱館戦争で戦死しました。こうして新選組は解散し、その歴史に幕を閉じました。

開館時間と休館日

開館時間: 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日: 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日から1月3日)

入館料

大人: 200円
小・中学生: 50円

アクセス情報

日野市立新選組のふるさと歴史館へは、以下の交通手段を利用することができます:

関連施設と情報

日野市立新選組のふるさと歴史館は、近隣の歴史的施設とも連携しており、特に以下の施設が関連しています:

日野市立新選組のふるさと歴史館は、新選組の歴史や日野市の文化を学ぶ絶好の場所です。歴史に興味がある方や、観光で訪れる方にとっても、一度は訪れてみる価値があるスポットです。特に新選組ファンにとっては、ここでしか見られない貴重な史料や展示が多く、感動を与えてくれるでしょう。

Information

名称
新選組のふるさと歴史館
(しんせんぐみ れきしかん)

八王子・高尾山・町田

東京都