パルテノン多摩は、東京都多摩市にある多摩市立の文化施設の愛称です。正式名称は「多摩市立複合文化施設」となっており、多摩ニュータウンの多摩センターに位置するこの施設は、市民や訪れる人々にとっての文化の殿堂として長年親しまれています。
パルテノン多摩は、1987年(昭和62年)10月31日に開館し、以来多摩センターのシンボル的な存在となっています。設計は建築家の曽根幸一氏によるもので、その外観はギリシャのパルテノン神殿に似ていることから「パルテノン多摩」という愛称が公募により選ばれました。施設の運営は、パルテノン多摩共同事業体が担っています。
パルテノン多摩は、多摩センター駅から続く歩行者専用道路「パルテノン大通り」の突き当たりに位置しており、アクセスが非常に便利です。多摩センター駅からのアプローチは歩行者の安全が確保された道路で、来訪者は施設の見事な外観を眺めながら到着できます。
開館当初の杮落としは、当時人気のあったバンド「米米CLUB」が行い、多くの注目を集めました。施設は市民の文化活動の拠点として、また国内外の著名な芸術家やミュージシャン、劇団を招いてのイベントも多く開催され、多くの人々に利用されています。
しかし、施設の老朽化が進んだため、2018年12月より大ホールの長期大規模改修工事が開始されました。2020年4月から約2年間にわたり全面休館し、2022年3月27日にプレオープン、同年7月1日にはグランドオープンを迎え、再び多摩市の文化活動の中心として再出発しました。
パルテノン多摩は、大・小2つのホールや市民ギャラリー、リハーサル室などの多彩な施設を備えています。これにより、市民の発表の場としての利用が盛んであり、様々なイベントが開催されています。
パルテノン多摩の建物中央部には、多摩中央公園へと続く大階段が設けられており、頂上部にある「きらめきの池」広場からは多摩センターの街並みを一望できます。この階段と広場は、施設のシンメトリーデザインを強調する特徴的な構造となっています。
パルテノン多摩では、かつて「小劇場演劇の発展と若手劇団の発掘」を目的に、1988年から2005年まで毎年4月に「パルテノン多摩小劇場フェスティバル」を開催していました。このフェスティバルは、多くの若手劇団が参加し、新たな才能の発掘と演劇文化の振興に寄与してきました。
パルテノン多摩へのアクセスは、多摩センター駅から徒歩数分と非常に便利です。駅前には商業施設や飲食店が立ち並び、訪れる人々にとっても利用しやすい環境が整っています。また、隣接する「多摩中央公園」では四季折々の自然を楽しむことができ、パルテノン多摩を訪れた際にはぜひ立ち寄りたいスポットです。
パルテノン多摩は、東京都多摩市の文化の中心として、さまざまな文化的なイベントや市民の活動を支援し続けています。老朽化による改修を経て、今後も地域の文化発展に貢献する施設として、多くの人々に親しまれることでしょう。