薬師池公園は、東京都町田市野津田町に位置する美しい都市公園で、町田市立の特殊公園として広く知られています。この公園は、新東京百景や日本の歴史公園100選に選ばれており、東京都指定名勝にも指定されている名勝地です。公園の中央部より東側には、名前の由来ともなっている「薬師池」が広がっています。
薬師池公園は、町田市のほぼ中央に位置し、南北に延びる東京都道18号府中町田線(鎌倉街道)に面しています。このエリアは、多摩丘陵の南部にあり、地形の起伏が非常に激しいのが特徴です。公園自体は、暖沢谷戸と呼ばれる谷間に位置し、東側・南側・西側は急な斜面に囲まれています。また、北側は鶴見川に向かって緩やかな下り勾配を形成しています。
公園の南側から西側、北西側にかけての丘陵地は、七国山や本町田の丘陵地と尾根で繋がっており、これらの地域と合わせて、豊かな自然が残る里山景観を形成しています。また、公園の東側には「町田リス園」、南側には「町田えびね苑」や「UR藤の台団地」が隣接しており、豊かな自然環境が広がっています。
薬師池公園の歴史は非常に古く、1590年(天正18年)には福王寺溜池としてその原形が完成しました。その後、1961年(昭和36年)に町田市が都市計画公園に指定し、1976年(昭和51年)4月1日に薬師池公園として正式に開園しました。開園以来、旧荻野家住宅や旧永井家住宅といった歴史的建造物が移築され、文化財としての価値も高められています。
2015年には薬師池の水質改善工事が実施され、2016年に工事が完了しました。これにより、池の生態系が復元され、訪れる人々により一層楽しめる場所となっています。また、薬師池公園は2013年9月2日から町田市が交付する原動機付自転車用のデザインナンバープレートにも取り入れられ、町田市の象徴的な存在として親しまれています。
薬師池公園には、歴史的価値のある建物や自然を楽しめる多彩な施設が揃っています。以下はその主な施設です。
薬師池公園は、小田急小田原線やJR横浜線の町田駅からアクセスすることができます。町田駅からは複数のバス路線が運行しており、薬師池または薬師ヶ丘で下車することができます。また、鶴川駅からもバスが出ており、こちらからも簡単にアクセス可能です。
自家用車でのアクセスも可能ですが、薬師池公園周辺には複数の駐車場があるものの、特に休日には満車になることが多く、また鎌倉街道沿いでは渋滞が発生しやすいので注意が必要です。
町田市では、2013年9月2日から薬師池公園をテーマにしたデザインナンバープレートが交付されています。このプレートには、薬師池やたいこ橋、ツバキの花、市の鳥であるカワセミが描かれており、町田市のシンボルとして多くの市民に愛用されています。