東京都 » 東京都内(23区) » 浅草・スカイツリー

東京都江戸東京博物館

(とうきょうと えど とうきょう はくぶつかん)

東京都江戸東京博物館は、東京都墨田区に位置する博物館で、江戸・東京の伝統文化の保存と都民文化創造の拠点として建設されました。本館は1993年3月に開館し、両国駅から徒歩3分の場所にあります。また、分館として江戸東京たてもの園があり、こちらも同年に開館しました。本館は施設の老朽化に伴う改修工事のため、2022年4月1日から2025年まで休館していますが、分館は引き続き営業中です。

博物館の概要

江戸東京博物館は、江戸と東京の歴史・文化に関わる資料を収集、保存、展示することを目的とし、「江戸と東京の歴史や文化を伝える博物館」として開館しました。運営は指定管理者制度により、公益財団法人東京都歴史文化財団が行っています。

本館の構造と展示内容

本館は地上7階、地下1階の建物で、延床面積は約46,590 m²です。1階には企画展示室、3階には「江戸東京ひろば」、5階と6階には常設展示室があり、江戸と東京の歴史をテーマにした展示が行われています。常設展示室は「江戸ゾーン」と「東京ゾーン」に分かれ、それぞれの時代を再現した展示物や模型が設置されています。

江戸ゾーン

江戸ゾーンでは、絵図や浮世絵などの資料、日本橋や中村座の実物大模型、長屋と路地の再現展示などがあり、江戸時代の庶民の生活や文化を体感できます。また、火消しや食生活に関する展示も充実しており、城下町としての江戸の魅力を感じることができます。

東京ゾーン

東京ゾーンでは、明治維新や文明開化、関東大震災、東京大空襲などの歴史的な出来事を紹介しています。これらの展示を通じて、東京がどのように発展してきたかを学ぶことができます。

建築設計と建物の特徴

建物の設計は著名な建築家の菊竹清訓によるもので、江戸城の天守閣とほぼ同じ高さ約62mのユニークな高床式の建物です。この構造は、隣接する国技館との調和を考慮したデザインですが、東京下町の景観を損ねているとの批判もあります。

企画展と特別展

江戸東京博物館では、年に数回ほど企画展や特別展が開催され、江戸や東京の文化をテーマとした展示が行われています。これまでには、手塚治虫や水木しげるの作品展示、海外の美術品展示など、幅広いテーマで展覧会が実施されてきました。

学際的な調査と活動

博物館は定期的に『江戸東京博物館NEWS』を発行し、また「江戸学」や「江戸東京学」の学際的な調査研究も行なっています。さらに「江戸東京博物館友の会」も運営されており、会員は様々な勉強会や見学会に参加できる特典があります。

分館:江戸東京たてもの園

分館である江戸東京たてもの園は、都立小金井公園内に位置する野外展示施設で、約7ヘクタールの敷地に江戸・東京の文化遺産としての建築物が35棟移築・復元されています。大蔵大臣を務め二・二六事件で暗殺された政治家・高橋是清の邸宅や、宮崎駿の『千と千尋の神隠し』に参考にされた銭湯や商家も展示されています。

展示されている建築物の特徴

江戸東京たてもの園には、伝統的な日本家屋や商家が多く移築されており、それぞれの建物には歴史的な背景と文化的な意義があります。訪れる人々は、実際の建物を見学することで当時の生活様式や文化を体感することができます。

沿革と建設の経緯

江戸東京博物館の建設計画は1980年に始まり、1993年に開館しました。この計画は、東京都生活文化局のコミュニティ文化部振興計画室によって進められ、各種委員会や懇談会の報告を基に実現しました。博物館の設立過程には多くの試行錯誤があり、海外の博物館視察や専門家による調査が行われました。

文化財と所蔵品

博物館が所蔵する文化財の中には、国の重要文化財に指定されているものもあります。例えば、萌葱地葵紋付小紋染胴服や阿蘭陀風説書、旧江戸城の写真ガラス原板などがあります。これらの貴重な資料は、江戸から現代に至るまでの日本の歴史を物語っています。

アクセス情報と利用案内

江戸東京博物館へのアクセスは、JR総武線の両国駅から徒歩3分、都営地下鉄大江戸線の両国駅から徒歩1分と非常に便利です。また、スカイツリーシャトルや都バスなどの公共交通機関も利用できます。開館時間は9:30から17:30まで(土曜日のみ19:30まで)で、月曜日や年末年始は休館となっています。

東京都江戸東京博物館は、江戸・東京の豊かな歴史と文化を体感できる貴重な施設です。改修工事が完了すれば、再び多くの来館者を迎えることが期待されています。

Information

名称
東京都江戸東京博物館
(とうきょうと えど とうきょう はくぶつかん)

浅草・スカイツリー

東京都