桜橋は、東京都の隅田川に架かる唯一の歩行者専用橋で、両岸に広がる隅田公園を結ぶ役割を持つ橋梁です。この橋は、1980年に始まり、1985年に完成しました。
桜橋は、台東区と墨田区の姉妹提携事業の一環として誕生しました。隅田川に架かる23番目の橋であり、特徴的なX字形のデザインは日本初の試みです。桜橋は、春の桜の季節になると多くの人々が訪れ、橋の上から隅田川両岸の桜を楽しむ光景が広がります。総工費28億3000万円は、台東区と墨田区で折半されました。
桜橋は、その美しい景観と周囲の環境との調和を考慮して設計されました。石畳の歩道やガラス張りの手すりが設置されており、公園の一部として自然に溶け込むようにデザインされています。また、無粋な護岸堤防を150メートル切り取り、橋の両岸に市民が水辺に近づけるテラスが設けられています。
桜橋は、その独特なデザインとロケーションから、映画やドラマ、バラエティ番組のロケ地として頻繁に使用されています。例えば、中山美穂が向島の芸者を二役で演じた『おヒマなら来てよネ!』や、アニメ作品『逮捕しちゃうぞ』映画版では、最初に爆破される橋として登場しました。
桜橋の構造は、連続鋼X形曲線箱桁橋(連続曲線鋼箱桁)で、全長は169.45メートル、中央部の幅員は20メートル、側径間は6メートル、付け根は57メートルです。この橋は、隅田川の風景に溶け込み、訪れる人々に快適な空間を提供しています。
桜橋のデザインは、竣工当時東京芸術大学教授であった清家清氏らが担当しました。施工は、台東区と墨田区が主体となり、管理は台東区が行っています。橋は1980年11月に着工され、1985年4月11日に竣工しました。
桜橋は、毎年夏に開催される隅田川花火大会の際、花火の打ち上げ場所(第1会場)の近くに位置しています。このため、花火大会の際には、橋上や周辺が立ち入り禁止区域となります。
桜橋の東岸(墨田区側)は、背後に墨堤通りが走っている狭小地です。このため、通りの上面に覆道を設け、橋と一体化させる工夫がなされています。
桜橋は、台東区と墨田区の協力のもと、隅田川に架けられた象徴的な橋です。そのユニークなデザインと周囲の景観との調和が評価され、多くの人々に愛されています。また、メディアでも頻繁に取り上げられるなど、文化的な役割も担っています。花見や隅田川花火大会の際には、多くの人々が訪れ、東京都の観光名所の一つとなっています。