東京都復興記念館は、東京都墨田区横網二丁目の横網町公園内に位置する博物館です。管理・運営は公益財団法人東京都慰霊協会が担当しています。この記念館は、関東大震災や第二次世界大戦に関する歴史的な資料を保存し、後世に伝えることを目的としています。
復興記念館は、関東大震災の被災状況や遺品、写真などを後世に伝えるため、昭和6年(1931年)に建設されました。当初は隣接する震災記念堂(現在の東京都慰霊堂)にこれらの資料を展示する予定でしたが、1929年に開催された帝都復興展覧会で多くの資料が集まったため、専用の記念館が建設されることになりました。
復興記念館の展示物は、関東大震災の被害やその後の復興事業を中心に構成されています。震災による遺品や被災物、絵画、写真、図表などが展示されており、当時の惨状と復興への取り組みを知ることができます。また、震災の記録だけでなく、第二次世界大戦における東京大空襲の被災者に関する資料も展示されています。
第二次世界大戦中、東京都は度重なる空襲に見舞われ、多くの死者を出しました。戦後、震災記念堂に戦災者の遺骨が収められたことに伴い、復興記念館では東京大空襲に関する資料も展示されています。これにより、震災と戦災、両方の歴史を後世に伝える重要な施設となっています。
1階展示室
1階の展示室では、関東大震災に関連する資料が展示されています。被災遺物や図表、写真、文書の他、震災当時の児童が描いた絵画や作文、工作なども展示されています。
2階展示室
2階の中央展示室と回廊には、震災と復興に関する絵画や図表、写真資料が展示されています。特に注目すべきは、震災からの復興を記念して開催された「帝都復興展覧会」で展示された復興大模型や、大型絵画です。また、2階の回廊では東京大空襲や戦災復興に関する資料も数多く展示されています。
屋外展示場
記念館の横にある屋外展示場では、関東大震災で溶解した建物の一部や車両などの大型被害品が展示されています。
東京都復興記念館は、1922年(大正11年)に東京市が陸軍被服廠跡地を購入し、公園の造成を開始したことに端を発します。翌年の1923年9月1日に関東大震災が発生し、被服廠跡には多くの人々が避難しましたが、火災が発生し多くの死者が出ました。この惨事を忘れず、後世に教訓として伝えるため、1930年に横網町公園が開園し、翌年には復興記念館が開館しました。
所在地
東京都墨田区横網二丁目3番25号
敷地面積
19,579.53平方メートル(64,725.71坪)
建築面積
576.09平方メートル(174.27坪)
延床面積
1,177.15平方メートル(356.09坪)
東京都復興記念館は、1999年(平成11年)に東京都選定歴史的建造物に選定されました。設計者は伊東忠太と佐野利器で、関東大震災からの復興を象徴する重要な建造物とされています。
開館時間
火曜~日曜日:午前9時~午後5時まで(最終入館は午後4時30分まで)
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日休館)、年末年始(12月29日~1月3日)
入館料
無料
鉄道でのアクセス